Windows 11でBitLockerを無効化する項目が見つからない解決法

Windows 10 Proから標準搭載されている暗号化機能「BitLocker」。HDDやSSDなどのストレージが紛失した場合、BitLockerキーがなければデータを読み取ることができず、情報漏洩のリスクを大幅に低減できるのは大きなメリットと言えます。BitLockerが有効なドライブにアクセスするためには、48桁の「回復キー」が必要です。そのため、事前に回復キーのバックアップを取るか、印刷して保存しておくことが重要です。

しかし、Windows 10 v1803以降（特にWindows 11）では、メーカーの設定によりBitLockerが自動的に有効化されることが多く、ユーザーはBitLockerをアクティブにした記憶がなく回復キーもわからない場合がほとんどです。また、上記のユーザーのように、電源を切るたびに48桁の回復キーの入力が求められるから、BitLocker暗号化機能を無効化しようと思ったが、無効にする項目が見つからず、ドライブにアクセスできなくなってしまい、大変困ることがありませんか。

なので、今回は、BitLockerを無効化する項目が見つからない解決法とその原因がテーマになります。ご参考になれば幸いです。ぜひ最後までお読みください。

ワンクリックでBitLockerを解除する

BitLockerで暗号化されたドライブを迅速かつ簡単に解除したい方には、専門のディスク管理ソフト「EaseUS Partition Master」がおすすめです。このシンプルで使いやすいユーティリティを使用することで、BitLockerドライブのロックを手軽に解除することが可能です。初心者にも優しい設計となっており、複雑な設定や操作は一切不要です。

🔎EaseUS Partition Masterの特徴

• 直感的で分かりやすいインターフェイス
• 効率的な操作
• 無料で利用可能

以下の手順に従って、EaseUS Partition Masterを使ってBitLockerで暗号化されたドライブのロックを解除し、完全なコントロールを取り戻しましょう。

ステップ1. 「パーティションマネージャー」で暗号化されたパーティションを右クリックし、「BitLockerマネージャー」を選択します。

ステップ2. 回復キーが分かれば「ロック解除」、分からなければ「BitLockerキーの検索」をクリックします。

 

ステップ3.「ローカルでの完全検索」にチェックを入れて、「検索」をクリックして開始します。

ステップ4. 「BitLocker回復キーが見つかりました」と表示されると、「ロック解除」をクリックします。

BitLockerを無効化するオプションがない場合の解決策

Windows 11のPCでBitLockerをオフにするオプションが見つからない場合、以下の方法を試してみてください。これらの手順を順に実行することで、問題を解決できる可能性があります。

方法1. コントロールパネルでBitLockerを無効にする

コントロールパネルは、Windowsでさまざまな設定を管理するための使いやすいツールです。BitLockerを無効にするには、以下の手順を実行してください。

ステップ1. 検索ボックスに「コントロールパネル」と入力して開きます。

ステップ2.「システムとセキュリティ」＞「BitLockerドライブ暗号化」に進みます。

ステップ3. ドライブがリストアップされます。無効化したいドライブを見つけ、「BitLockerを無効にする」をクリックします。

ドライブの無効化には時間がかかる場合があります。しばらくお待ちください。

方法2. コマンドプロンプトでBitLockerを無効にする

コマンドプロンプトを活用すれば、数回のキー操作でBitLockerを無効化することが可能です。特に、GUI（グラフィカルユーザーインターフェース）よりも効率的に作業を進めたい方におすすめの方法です。ただし、この操作には管理者権限が必要なことを確認してください。

ステップ1. 検索バーに「cmd」と入力し、コマンドプロンプトを管理者として実行します。

ステップ2. コマンド「manage-bde D：-protectors -get」を入力し、Enterキーを押します。これにより、BitLockerの回復キー（Password）を確認することができます。

ステップ3. コマンド「manage-bde -off D：」を入力し、Enterキーを押します。これで、BitLockerの無効化が開始します。※「D:」はBitLockerを無効化したいドライブ文字に置き換えてください（C:, E:, など）

🔻ドライブのBitLockerを無効にするには、ドライブの容量やデータ量によって時間がかかる場合があります。コマンド「manage-bde D: -status」（ドライブレターを置き換えてください）で、指定したドライブ現在の状態を確認することができます。「Fully Decrypted」と表示されれば、BitLockerが解除されています。

🔖【関連記事】 BitLockerドライブでパーティションを分割する方法

方法3. PowerShellでBitLockerを無効にする

PowerShellは、コマンドプロンプトと似たコマンドラインツールですが、より高度で柔軟な操作が可能です。PowerShellを使い慣れている方には、この方法がおすすめです。以下の手順に従って、BitLockerを簡単に無効化しましょう。

ステップ1. 検索バーに「Powershell」と入力し、パワーシェルを管理者として実行します。

ステップ2. コマンド「Disable-BitLocker -MountPoint "C:"」を入力し、Enterキーを押します。※「C:」はBitLockerを無効化したいドライブ文字に置き換えてください（D:, E:, など）

ステップ3. PowerShellが確認を求める場合は、Yと入力し、Enterキーを押して続行します。

BitLockerの無効化が実行されます。ドライブの容量やデータ量に応じて時間がかかる場合があります。進行状況を確認したい場合は、コマンド「Get-BitLockerVolume」を入力してください。「Volume Status」が「Fully Decrypted」となれば、無効化が完了しています。

🔖こちらもおすすめ｜ Bitlockerが回復キーを要求し続けるのを解決するには？

方法4. ポリシーエディタでBitLockerを無効にする

ローカルグループポリシーエディタを使用することで、BitLockerに関する細かい設定を調整できます。この方法は、システムのポリシーを直接編集するため、きめ細かい制御が可能です。ただし、少しナビゲーションが複雑なので、手順に従って慎重に進めてください。

ステップ1. Windows＋Rキーを押して、実行ダイヤログで「gpedit.msc」と入力し「OK」をクリックします。

ステップ2.「コンピュータの構成」>「管理用テンプレート」>「Windows コンポーネント」>「BitLockerドライブ暗号化」>「固定データドライブ」の順に進みます。

ステップ3.「BitLockerで保護されていない固定ドライブへの書き込みアクセスを拒否する」をダブルクリックして、「無効」を選択します。「適用」をクリックし、「OK」を押して変更を保存したら、コンピュータを再起動して変更を有効にします。

方法5. Windowsサービス経由でBitLockerを無効にする

Windowsサービスは、システムのバックグラウンドでさまざまな機能を管理しています。BitLockerのサービスを調整することで、その動作を停止または無効化することが可能です。この方法は簡単で、システム設定を直接変更したくない場合に有効です。

ステップ1. Windows＋Rキーを押して、実行ダイヤログで「services.msc」と入力し「OK」をクリックします。

ステップ2.「BitLocker Drive Encryption Service」をクリックし、「サービスの停止」を選択します。

🔻このサービスは、BitLockerの暗号化機能をサポートするためにバックグラウンドで実行されています。

ステップ3. 該当サービスを右クリックし、「プロパティ」を開きます。「スタートアップの種類」を「無効」に設定し、「適用」＞「OK」をクリックします。

🚩【関連記事】 Windows 11 24H2 デフォルトでBitLockerが有効・無効にする方法

方法6. システム構成からBitLockerを無効にする

システム構成ツール（msconfig）は、Windowsの起動プロセスやサービスを管理するための便利なツールです。これを使用してBitLocker関連のサービスを無効化することで、BitLockerの起動時の動作を一時的に抑制することができます。この方法は、BitLockerを完全に解除するのではなく、システム起動中のバックグラウンドプロセスを無効化したい場合に役立ちます。

ステップ1. Windows＋Rキーを押して、実行ダイヤログで「Msconfig」と入力し「OK」をクリックします。

ステップ2. 上部にある「サービス」タブをクリックし、システムで実行されているすべてのサービスが表示されます。

ステップ3.「BitLocker Drive Encryption Service」オプションのチェックを外します。「OK」をクリックして設定を保存します。

その後、システム構成ウィンドウで「再起動」を選択し、コンピュータを再起動します。再起動後、BitLockerサービスが無効化された状態で起動します。

なぜ設定に「BitLocker ドライブ暗号化」オプションがない？

Windows 11では、「設定」＞「プライバシーとセキュリティ」＞「デバイスの暗号化」から BitLocker を無効化できるはずですが、場合によってはこのオプション自体が表示されないことがあります。この問題が発生する理由として、いくつか考えられる原因があります。以下に主な要因を解説します。

🔸グループポリシーによる設定

企業や教育機関などの管理されたネットワーク環境では、システム管理者がグループポリシーを設定しており、これによりBitLockerの設定が制限されている場合があります。例えば、特定のデバイスでBitLockerをオフにする機能が無効化される、または一部のオプションが非表示になるといったケースが考えられます。

🔸デバイスの暗号化による制限

お使いのデバイスがハードウェアベースの暗号化（デバイス暗号化）をサポートしている場合、「BitLocker ドライブ暗号化」オプションが表示されない、またはグレーアウトされることがあります。特に、セキュリティチップ（TPM）を使った自動暗号化が有効になっている場合に見られる現象です。

🔸管理者権限が不足している

BitLockerの設定を変更するには、管理者権限が必要です。標準ユーザーとしてログインしている場合、「デバイスの暗号化」オプションが表示されないことがあります。

🔸TPM（Trusted Platform Module）の問題

BitLockerは、暗号化を管理するためにTPM（トラステッド プラットフォーム モジュール）チップに依存しています。TPMが無効化されている、または問題が発生している場合、BitLockerのオプションが表示されないことがあります。

🔸Windowsのバージョンによる制限

Windows 11のエディション（Home、Pro、Enterpriseなど）やバージョンによって、BitLockerの管理方法が異なります。たとえば、Windows 11 Homeでは「BitLocker ドライブ暗号化」が利用できず、代わりに「デバイスの暗号化」という機能が存在します。この違いにより、「設定」に該当するオプションが表示されない場合があります。

🔸破損したシステムファイル

いくつかのシステムファイルが破損している場合、BitLocker関連の設定が正常に機能しないことがあります。この結果として、「デバイスの暗号化」オプションが表示されない場合があります。

同じ問題に直面している他のユーザーとこの記事を共有してください。

まとめ

この記事では、Windows 11で「BitLockerを無効にするオプションが見つからない場合」の原因と、その解決方法について詳しく解説しました。

BitLockerを無効にする際の選択肢はいくつかありますが、状況やあなたのスキルレベルに応じて最適な方法を選ぶことができます。例えば、EaseUS Partition Masterを使用することで、パスワードや回復キーがあれば簡単にBitLockerドライブのロックを解除できます。また、Windowsに標準搭載されているツールを利用した解決策も紹介しました。どの方法を選ぶかは、個々のニーズに応じて自由に選択できます。

よくある質問（FAQs)

1. なぜWindows 11でBitLockerを利用できないのか？

BitLockerは、Windows 11のPro、Enterprise、Educationエディションでのみサポートされています。そのため、Homeエディションを使用している場合は、Windows 11のシステムでBitLockerを利用することはできません。また、お使いのデバイスに必要なハードウェアであるTPM（Trusted Platform Module）チップが搭載されていない可能性も考えられます。さらに、企業や教育機関などの管理環境では、グループポリシーやシステム管理者によってBitLockerが意図的に無効化されている場合もあります。

2. キーなしでBitLockerをオフにできますか？

BitLockerを無効化するには、暗号化キー（パスワードまたは回復キー）が必須です。このキーがない場合、ドライブの暗号化を解除することはできません。キーを紛失している場合、唯一の方法はBitLockerドライブをフォーマットすることです。ただし、フォーマットを行うとドライブ内のすべてのデータが削除されるため、事前にバックアップを取ることが非常に重要です。

3. BitLockerはWindows 11のデフォルトでオンになっていますか？

通常、BitLockerはWindows 11の個人用デバイスではデフォルトで有効になっていません。多くの場合、ユーザーが手動で有効化する必要があります。ただし、一部の構築済みPCや企業ネットワークなどの管理された環境では、初期設定やポリシーによってBitLockerが自動的にオンになっているケースもあります。

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