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BitLockerとデバイスの暗号化の違い

アキラ
更新者:アキラ 2025/05/15
   

概要:

BitLockerとデバイスの暗号化の違いを徹底解説。用途別の選び方や注意点、EaseUS Partition Masterを使ったトラブル対策も紹介!

 

近年、テレワークやモバイルワークの普及により、ノートPCやUSBメモリなどを社外で使用する機会が増えています。特に個人情報や業務機密を扱う端末が盗難・紛失した際、情報漏洩のリスクは極めて高くなります。日本ネットワークセキュリティ協会が発表した「2018年情報セキュリティインシデントに関する調査結果」によると、情報漏洩事故の原因の約3割が「紛失・置忘れ、盗難」によるものでした。このような背景から、ディスクやデバイスを暗号化することは、現代のデジタル環境において必須のセキュリティ対策となっています。

BitLockerとは?企業向けの高機能暗号化ソリューション

BitLocker(ドライブの暗号化)は、MicrosoftがWindowsに標準搭載しているドライブ暗号化機能の一つで、特にビジネス用途を意識した設計になっています。Windows 10や11の「Pro」「Enterprise」「Education」エディションで利用可能で、個人利用者というよりは、複数のPCを管理する企業や教育機関にとって強力な味方です。

BitLockerを使うと、HDDやSSDに保存されているデータを丸ごと暗号化できるため、たとえパソコンが盗まれても、ドライブを取り出して別のパソコンにつなげたとしても、中のデータを読み取ることは基本的にできません。BitLocker(ドライブの暗号化)主な特徴は以下の通りです。

  • TPM(Trusted Platform Module)というセキュリティチップと連携して、暗号鍵を安全に保管
  • 起動時にPINコードやUSBキーを組み合わせた多層的なロックを設定可能
  • Active DirectoryやMicrosoft Intuneと連携して、回復キーを一括管理
  • 外付けドライブにも使える「BitLocker To Go」対応

特に大きな企業では、IT管理者がグループポリシーやクラウド経由で端末を一括制御できるため、「誰がどのパソコンで暗号化を有効にしているのか?」といった確認もスムーズに行えます。セキュリティポリシーに準拠した端末管理が求められる場面では、BitLockerが非常に頼れるソリューションになるわけですTPMチップが搭載されていないパソコンでも、USB回復キーなどを使えばBitLockerを有効化することは可能です。ただし、TPMがあるほうがセキュリティも使い勝手もぐっと上がります。

Microsoft公式によるBitLockerの解説もぜひ参考にしてみてください>>「BitLockerの概要」

デバイスの暗号化とは?家庭ユーザー向けの簡易版BitLocker

「デバイスの暗号化」は、BitLockerの「ライト版」みたいな位置づけです。Windows 10や11のHomeエディションにも搭載されていて、主に一般家庭向けノートパソコンなどで使われます。この機能は、使う人がわざわざ何かを設定しなくても、PCの初期設定時にMicrosoftアカウントでログインして、条件を満たしていれば自動的に暗号化がオンになります。なので初心者の方やあまりパソコンの設定に詳しくない方でも、知らないうちにセキュリティが強化されているというのがポイントです。

ただし、デバイスの暗号化の動作にはいくつか条件があります。

  • TPMチップを搭載していること(セキュリティを担保するため)
  • 「Modern Standby」に対応したハードウェアであること(省電力設計)
  • Microsoftアカウントでサインインしていること

基本的に、条件を満たすWindowsノートPC(Surfaceや一部のDell・HP製品など)では、デフォルトでデバイス暗号化が有効になっているケースが多いです。

ただし、BitLockerと違って、パスワードやPINを追加したり、外付けドライブを暗号化したり、回復キーの管理方法を選んだりといった細かなカスタマイズはできません。あくまで「使う人を意識させずに最低限のセキュリティを提供する」ことが目的の機能です。万が一、PCが故障した場合やOSが起動しない場合には、Microsoftアカウントに保存されている「回復キー」が必要になります。これはマイクロソフトのサインインページから確認できるので、一度ご自身のアカウントで確認しておくと安心です。

📖【関連記事】Windows 11/10でBitlockerを無効化する方法

BitLockerとデバイスの暗号化の違いを一覧比較

ここまで読んでいただいた方は、BitLockerとデバイスの暗号化がそれぞれどういうものか、おおまかにイメージがついたのではないでしょうか。でも、「結局どっちが自分に合ってるの?」という疑問、まだ残ってますね。そこで、それぞれの特徴をざっくり比較できるように表にまとめてみました。機能の違いや対応範囲をパッと見て確認したい方はこちらを参考にしてください。

項目

BitLocker

デバイスの暗号化

対応OS Pro, Enterprise, Education Home(対応ハードのみ)
手動設定の可否 可能  原則、自動でのみ有効化
TPM要件 任意(推奨)  必須(Modern Standby対応)
キー管理 管理者が制御可能  Microsoftアカウントに保存
ポリシー制御 Active Directory/Intune対応 不可
パスワード/PINの設定 可能 不可

ざっくり言うと、BitLockerは「自分で細かくコントロールしたい人」や「企業や組織でしっかり管理したい人」に向いていて、デバイスの暗号化は「手間をかけずに最低限のセキュリティを確保したい人」にぴったりです。

ちなみに、デバイスの暗号化が有効かどうかは、「設定」→「システム」→「情報」から確認できます。BitLockerの場合は、「コントロールパネル」→「BitLockerドライブ暗号化」で設定状況がチェックできます。次のセクションでは、「じゃあ、結局自分はどっちを選べばいいの?」というシチュエーション別のおすすめを紹介していきます。

どちらを使うべきか?利用シーン別の選び方

BitLockerとデバイスの暗号化、それぞれの特徴がわかったところで、「じゃあ自分はどっちを使えばいいの?」という疑問にお答えします。実は、どちらが優れているとか劣っているとかではなく、「どんな使い方をするか」によって向き・不向きが決まるんです。以下に、代表的な利用シーンをいくつか挙げてみました。

🔸 個人ユーザー・家庭用ノートPCの場合

デバイスの暗号化でOK。特にパソコンに詳しくない方でも、設定をいじらず使えるので安心。TPMチップが搭載されていれば、何もしなくても暗号化されているケースが多いです。

🔸 フリーランス・小規模オフィスで複数台管理している場合

BitLockerがおすすめ。パスワードやPINで起動時のセキュリティを強化したり、バックアップ用の外付けHDDも暗号化できたりと、自由度が段違いです。

🔸 社用PC・機密データを持ち運ぶ場合

迷わずBitLocker。会社のセキュリティポリシーと連携したり、管理ツールで回復キーを一括管理できるので、紛失・盗難時のリスクにも強いです。

🔸 USBメモリや外付けドライブにデータを入れて持ち歩くことが多い場合

BitLocker To Goが大活躍。普通のUSBメモリを暗号化できるので、「失くしても中身は守られてる」という安心感があります。

要するに、「自分がどこまでセキュリティを管理したいか」「どれだけ自由にコントロールしたいか」で選ぶと失敗しません。

暗号化を使うときの落とし穴とトラブル対策に役立つツール

BitLockerやデバイスの暗号化はとても強力なセキュリティ手段ですが、「設定して終わり!」ではないのが現実です。ちょっとした油断や知識不足で、かえって自分自身がデータにアクセスできなくなる…なんてケースも少なくありません。ここでは、暗号化を活用するうえで注意すべきポイントと、そんなときに役立つ便利ツールについてご紹介します。

回復キーの管理が超重要

まず、真っ先に気をつけたいのが「回復キーの管理」です。BitLockerでもデバイスの暗号化でも、何かの拍子にパソコンが起動しなくなったときや、ハードディスクを他のパソコンにつなげたときなどに、この回復キーがないとデータの復旧ができなくなります。

Microsoftアカウントと連携していれば、オンラインで確認できる仕組みもありますが、「サインインできない」「別のアカウントだった」なんてトラブルもあり得ます。なので、回復キーは必ず安全な場所(外付けUSB、紙のメモ、クラウドストレージなど)にバックアップしておくのが鉄則です。

パーティション構成がうまくいかないと暗号化自体できないことも…

意外と見落としがちなのが、パーティションの構成です。BitLockerを有効にしようとしたときに、「必要なシステムパーティションが見つかりません」「ドライブの構成がサポートされていません」といったエラーが出ることがあります。これは、Windowsのシステムドライブに必要なパーティション(回復パーティションやEFIシステムパーティションなど)が正しく設定されていない場合によくあるトラブルです。

また、古いPCから新しいPCにドライブの中身を移行したときや、SSDを交換した際などにも、パーティション構成が崩れてしまってBitLockerがうまく動作しなくなるケースがあります。

そんなときに便利なのが「EaseUS Partition Master」

こういったパーティションの問題を簡単に確認・修正できるツールとしておすすめなのが「EaseUS Partition Master」です。このソフトは、ドライブのパーティションを視覚的に操作できるツールで、初心者でも直感的に使えるのが魅力。具体的には以下のようなことができます。

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  • パーティションのサイズ変更(空き容量の調整など)
  • MBR(旧形式)からGPT(新形式)への変換
  • パーティションの結合・分割
  • 未割り当て領域の利用
  • OSを含むドライブのコピー(クローン作成)など

BitLockerを使う際には、「システム予約パーティションが正しいサイズか?」「GPTでフォーマットされているか?」といった点が重要になるので、こうしたツールがあるとトラブルを事前に回避しやすくなります。特にドライブの換装や新規インストールの際には、「最初にきちんとパーティションを整えておけば、あとが楽!」というのが筆者の実感です。

EaseUS Partition Masterは無料版でも基本的な機能をしっかり備えており、有料版ではより高度な操作にも対応しています。BitLockerと併用することで、セキュリティと快適なストレージ管理の両立が実現できますよ。

まとめ

テレワークの普及に伴い、端末の盗難・紛失による情報漏洩リスクが高まる中、ドライブ暗号化は欠かせないセキュリティ対策です。BitLockerは企業向けの高機能な暗号化手段で、柔軟なカスタマイズや管理が可能。一方、「デバイスの暗号化」は家庭ユーザー向けに設計され、自動で暗号化が有効になる手軽さが特徴です。ただし、どちらを選ぶにしても、回復キーの管理やパーティション構成の確認が重要なポイント。EaseUS Partition Masterを活用すれば、事前のトラブル回避やパーティション管理も簡単に行えます。用途や環境に応じた選択と準備が、安心・安全なPC運用の鍵となります。

よくある質問(FAQs)

1. BitLockerとデバイスの暗号化、どちらがより安全ですか?

どちらも安全性は高いですが、BitLockerの方が細かい設定や管理ができるため、企業や上級者にはより適しています。デバイスの暗号化は初心者でも手軽に使える点が魅力です。

2. BitLockerを使うにはTPMチップが絶対に必要ですか?

推奨されていますが必須ではありません。TPMがない場合でも、USB回復キーを使うことでBitLockerを有効化することが可能です。ただし、TPMがある方がセキュリティは強化されます。

3. EaseUS Partition MasterはBitLockerと一緒に使う意味がありますか?

はい。BitLockerの導入には正確なパーティション構成が必要です。EaseUS Partition Masterなら、視覚的にパーティションを調整・修復できるため、トラブルを防ぐのに非常に役立ちます。

EaseUS Partition Master Free の詳細については>>

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