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EaseUSディスクドライブ統計レポート

2023年第2四半期のハードドライブのストレージに関する調査が完了しました。EaseUS Softwareは、3か月にわたるユーザー調査を通じて、207,797人のユーザーから合計336,058台のハードドライブを分析しました。その内訳は、ソリッドステートドライブ(SSD)が205,889台、ハードディスクドライブ(HDD)が130,169台となっています。

調査の結果、71.97%のユーザーが2台以上のハードドライブを所有しており、1台のみ所有しているユーザーは28.02%にとどまることが分かりました。また、HDDユーザーの約40.67%が、512GB〜1TBの大容量ディスクを使用しているのに対し、SSDユーザーは比較的小容量のディスクを利用している傾向があり、55.26%のユーザーが128GB〜512GBの容量のSSDを使用しているという結果が得られました。

所有ハードドライブ

このディスクの利用状況レポートは、ぜひご自由に共有してください。ご友人や同僚が、自分のパソコンに最適な容量のディスクを選ぶ際の参考になります。

 

これらの傾向の背景にある要因を探るために、私たちは取得したデータをもとに、ハードディスクストレージに関するさまざまな側面を分析しました。今後も、HDDやSSDがシステムディスクとして使用される際の利用パターンや、Cドライブのサイズなどについて引き続き調査を行いながら、得られたデータの観察結果や考察を共有し、発生しうる問題に対する具体的な提言を行っていきます。レポートのダウンロードは、以下のリンクからどうぞ:

EaseUSディスクドライブ統計レポート 2023年版

パソコンに搭載されているハードドライブの数は?

ユーザー調査によると、EaseUSは多くのユーザーが複数のハードドライブを使用していることを確認しました。中でも、2台のハードドライブを使っているユーザーは全体の36.81%、3台使用しているユーザーは19.90%という結果になりました。これは、システムとデータを別々のディスクに分けるなど、用途に応じてドライブを使い分けていることを示していると考えられます。また、追加のハードドライブはデータ保存用やパフォーマンスの向上を目的として使用されている可能性もあります。

そのほかにも、より多く、または少ない台数のハードドライブを所有しているユーザーも一定数存在します。

以下のグラフでは、ユーザーが所有しているハードドライブの台数の分布をわかりやすく示しています。

ユーザーが所有しているハードドライブの台数

EaseUSのハードディスク使用状況調査によると、ハードドライブを1台だけ使用しているユーザーの割合は全体の28.02%と、比較的多く存在しています。このようなユーザーは、ハードディスクの不具合によるデータ損失を防ぐために、ハードディスクの健康状態に特に注意を払い、定期的に状態をチェックすることが重要です。そのため、大切なデータはこまめにバックアップを取ることが推奨されます。

一方で、15.26%のユーザーは4台以上のハードドライブを所有しており、特に4台所有しているユーザーの割合は5台のユーザーよりも多くなっています。

  • 4台のハードドライブを持つユーザー:8.02%
  • 5台のハードドライブを持つユーザー:3.68%

こうした多数のハードドライブを使用しているユーザーは、テスト用途や大量のデータ保存が必要なプロフェッショナルである可能性が高いと考えられます。

あなたのパソコンには、ハードドライブが何台あれば十分だと思いますか?この記事のまとめやあなた自身の意見を、下のボタンをクリックして友達とシェアしてみましょう。

 

どれくらいのディスク容量があれば十分?

256GBのハードドライブでは足りないのでしょうか?EaseUSのディスクドライブ統計によると、HDDユーザーとSSDユーザーでは使用しているディスク容量に違いがあることがわかりました。そのため、HDDとSSDの容量についてはそれぞれ別に分析を行いました。

HDDユーザーが利用する容量の傾向

多くのHDDユーザーは256GB〜1TBの容量を好んで使用しており、特に512GB〜1TBを使っているユーザーは全体の40.67%を占めています。HDDは1GBあたり約0.03〜0.06ドルとコストパフォーマンスが高いため、データ保存や大容量のバックアップ用途としてHDDを利用するユーザーが多いと考えられます。1TB〜8TBのようなさらに大容量のHDDを使用しているユーザーも26.17%にのぼります。

以下のグラフでは、HDDユーザーが使用しているディスク容量の分布を示しています。

HDD容量の分布

SSDユーザーが利用する容量の傾向

EaseUSの調査によると、SSDユーザーの大半(55.26%)が128GB〜512GBの容量を使用していることがわかりました。SSDは読み書き速度が速く、性能にも優れているため人気がありますが、価格の影響から、個人のシステム用途やゲーム用ディスクとして小容量のSSDを選ぶユーザーが多いようです。

しかし、小容量のSSDを長期間使用すると、空き容量が不足しやすくなり、ディスク容量不足の問題が発生する可能性があります。そのため、多くのユーザーがパーティションの拡張やサイズ変更を行う必要に迫られています。

近年では研究開発の進歩によりSSDの価格も年々下がっており、大容量タイプのSSDも徐々に手頃な価格で手に入るようになってきています。そのため、新しいシステムを使用する方や、日常の業務で高性能なデバイスを必要とする方には、512GB〜1TBのSSDなど、より大きな容量のものを選ぶことをおすすめします。

以下のグラフからも分かるように、1TBを超える容量のSSDを使用しているユーザーは全体の9.60%となっています。

SSD容量の分布

上記の2つの割合グラフは、ユーザーが使用しているハードドライブの容量を示しています:

  • HDDユーザーの89.22%は、256GBを超える容量のハードディスクを使用しています。
  • SSDユーザーでは、61.28%が256GBを超える容量のSSDを使用しています。
  • 一方で、256GB以下の容量を使用しているユーザーは、HDDユーザーの10.78%、SSDユーザーの38.72%となっています。

これらのEaseUSによるハードディスク使用状況の調査結果から、いくつかの結論が導き出せます:

  • システム用ディスクとしてのみ使用するのであれば、256GBのSSDでも十分です。しかし、ゲーム、開発作業、データ保存といった用途には、HDD・SSD問わず256GBでは容量が足りません。
  • 一部のユーザーは「256GBで十分」と考えているようですが、それは複数のドライブを併用している、あるいは軽い事務作業など限られた用途で使っている可能性があります。
  • 特に大容量のゲームをインストールしたり、大量のデータをバックアップしたりするユーザーにとっては、256GBのディスク容量では明らかに不足しています。

実際のところ、HDDでもSSDでも、256GBの容量では十分でないと感じているユーザーが多いようです。というのも、OSのインストールやソフトウェアのダウンロードに多くの容量が使われるほか、使用中にもキャッシュや仮想ファイル、設定ファイルなどが容量を消費していくからです。そのため、より大きな容量のハードディスクが必要になります。

  • 日常的なオフィス利用であれば、500GB〜1TBのハードディスクで十分です。
  • プロフェッショナルな用途や大量のデータ保存が必要な場合は、2TB以上のハードディスクの方が適しているでしょう。

さて、どれくらいのディスク容量が“十分”なのか、お分かりいただけたでしょうか?一般的に、256GBでは不足であり、日常的な業務をこなすには少なくとも500GBのハードディスクが必要です。

もし、あなたのご友人も「どれくらいの容量が適しているのか分からない」と悩んでいるようなら、ぜひこの調査結果をシェアしてみてください!下のボタンから簡単に共有できます。

 

システムディスクの種類とCドライブの容量について

パソコンには、システムを起動するためのシステムディスクと、ソフトウェアのダウンロードやインストールに使用されるCドライブが必要です。EaseUSのディスクドライブ統計によると、ユーザーの74.19%がシステムディスクとしてSSDを使用しており、非SSD(HDDなど)を使用しているユーザーは25.81%にとどまっています。

また、Cドライブの容量はSSD・HDDいずれの場合も、64GB〜512GBの範囲に収まっていることが多いことが分かりました。以下では、これら2つの結果について詳しく解説します。

システムディスクにはSSDの利用が増加、HDDは減少傾向に

EaseUSの調査によると、システムディスクとしてSSDを使用している人は、HDDを使用している人の約3倍にのぼることがわかりました。では、なぜSSDがシステムディスクの主流となってきているのでしょうか? それを理解するには、HDDとSSDの信頼性や利点・欠点について考察する必要があります。

以下に、SSDとHDDの性能を簡単に比較した表をご紹介します。

比較 HDD SATA SSD NVMe/M.2 SSD
読み込み速度 80MB/秒-160MB/秒 500MB/秒-550MB/秒 1500MB/秒-7500MB/秒
書き込み速度 80MB/s-160MB/s 400MB/s~520MB/s 1000MB/s~7000MB/s
起動時間 45秒-4分 20s 10s
コンポーネント プラッタ、スピンドル、読み書きアーム 可動部品なし 可動部品なし

ご覧のとおり、NVMe M.2(ノンボラタイル・メモリ・エクスプレス)の読み書き速度は、1000〜7500MB/秒にも達することがあります。これは、ハードディスクドライブ(HDD)の実効書き込み速度の10倍以上に相当します。システムディスクとしてSSDを使用することで、パソコンの起動が高速化され、全体的なパフォーマンスも大きく向上します。さらに、SSDは可動部品を持たない構造のため、落下などの衝撃による故障リスクが低く、極端な高温・低温などの環境でも安定して動作するという特徴があります。

このように、SSDは高速な読み書き性能、高い耐障害性、そして低消費電力といった多くのメリットを備えており、現在では新しい機器のシステムディスクとして主流のデバイスとなっています。

Cドライブの容量は一般的に64GB〜512GBの範囲

Cドライブは通常、システムドライブとして使用され、ソフトウェアのダウンロード、システムの復元、ファイルの更新などに利用されます。パソコンの主要なパーティションのひとつであり、その容量は一般的に64GB〜512GBの範囲に分布しています。しかし、EaseUSのハードディスク使用状況調査によると、SSDとHDDではCドライブの容量配分に若干の違いがあることがわかりました:

  • SSDでは、Cドライブの容量が64GB〜512GBの範囲にあるユーザーが約80%で、とくに128GB〜256GBが最多(33.17%)です。
  • HDDでは64GB〜1TBが91%を占め、256GB〜512GBが最多(31.38%)となっています。
  • 一部のユーザーは64GB未満に設定しているケースもあります。

以下のグラフでは、Cドライブ容量の具体的な分布状況を視覚的に示しています。

Cドライブの容量分布

通常、Cドライブには少なくとも100GB以上の容量を割り当てることを推奨しています。企業ユーザーの場合は、Cドライブがディスク全体の40%程度を占めるように設定するのが理想的です。Cドライブは、OSが保存されるだけでなく、ドキュメントや写真などの個人ファイルが保存されるデフォルトの場所でもあります。そのため、データとシステムを分けて管理していない場合、Cドライブの容量がすぐに不足してしまう可能性があります。Cドライブの空き容量が足りなくなると、Windowsの動作が遅くなったり、アップデートのインストールができなくなったりすることがあります。

Cドライブを良好な状態に保つことは非常に重要です。まずは、Cドライブに十分な容量を確保することがポイントです。一般的には、必要と想定される容量よりも10%程度多めに割り当てておくことをおすすめします。また、個人データはCドライブ以外に保存する、Cドライブを拡張する、定期的に不要ファイルを整理する、またはシステムディスクをより大きな容量のものに変更するといった対策も有効です。

Cドライブは、パソコンにとって非常に重要な領域です。常に良好な状態を保つよう心がけましょう。下のボタンをクリックして、Cドライブの容量不足に注意するよう、お友達にもシェアして知らせてあげてください!

 

ディスクドライブでよく使われているパーティション形式とは?

Cドライブが使用している容量について理解したところで、次はシステムパーティションに使われているパーティション形式について見ていきましょう。

ディスクのパーティションとは、ディスク上にパーティション情報を記録する方式のことで、主に「MBR」と「GPT」という2種類の形式があります。EaseUSのディスクドライブ統計によると、システムディスクのパーティション形式として「GPT」を使用しているユーザーは57.41%で、これに対し「MBR」を使用しているユーザーは42.59%という結果になりました。

ユーザーのディスクのパーティション形式

では、なぜ従来のパーティション形式であるMBRが、徐々にGPTに置き換えられてきているのでしょうか?その主な理由は、MBR形式の持つ制限にあります。

MBR形式では、作成できるパーティションの数に上限があり、2TBを超える容量のディスクをサポートしていません。つまり、容量面での制約が大きいのです。一方、GPTは新しいパーティション形式で、パーティション数の制限もなく、より大きなディスクにも対応できます。さらに、GPTはUEFI(従来のBIOSに代わる新しいファームウェア)に対応しているため、システムがUEFIの場合は、MBRの代わりにGPTが求められます。

まとめると、GPTはパーティションサイズや数において大きなメリットを持っています。特に、マイクロソフトが公式に「Windows 11ではGPTとUEFIのみ対応」と発表して以降、Windows 10からWindows 11にアップグレードを検討している場合には、MBRをGPTに変換する必要があるかもしれません。ただし、GPTとMBRのどちらを使用すべきかは、使用環境や目的に応じて検討する必要があります。

  • ディスク容量:もしお使いのハードディスクの容量が2TBを超えている場合は、すべての容量を有効に使うために、GPT(GUIDパーティションテーブル)形式を選ぶことをおすすめします。
  • システムの新しさとマザーボードの対応状況:お使いのパソコンのマザーボードが新しく、UEFIファームウェアに対応している場合は、GPTを選ぶと良いでしょう。たとえば、Windows 10 64ビットやWindows 11を使用しており、3TB以上のハードディスクを使用するケースです。
  • 古いマザーボードで従来のBIOSを使用している場合は、MBRを選ぶ必要があります。たとえば、Windows 10 32ビットや、2TB未満のハードディスクを搭載した旧式のシステムが該当します。

この内容をご覧になって、GPTとMBRのどちらを選ぶべきか、理解が深まったのではないでしょうか?もし、ディスクのパーティション形式を変更すべきか悩んでいるご友人がいれば、ぜひこの情報をシェアしてあげましょう!

 

ディスクドライブでよく使われているオペレーティングシステムとは?

現在主流のパソコン用オペレーティングシステムには、Windows、macOS、Linuxがあります。その中でも、Windows環境では多くのユーザーがWindows 11またはWindows 10を使用しており、特にWindows 10が主流であることがわかりました。EaseUSの調査によると、全体の63.02%のユーザーがWindows 10を使用しています。具体的には:

  • 51.31%のユーザーがWindows 10を使用
  • 11.71%のユーザーがWindows 10(64ビット)を使用

Windows 7やWindows 8など他の古いバージョンの利用は、徐々に減少傾向にあります。

ハードディスク上で動作しているシステム

Windows 11は2021年6月にリリースされたものの、依然として旧バージョンのWindows 10の方が高い使用率を維持しており、多くのユーザーがWindows 10を利用しています。新しいシステムであるWindows 11を使用しているユーザーは全体の28.26%にとどまっており、新OSに対してまだ様子見の姿勢を取っている人が多いと考えられます。

しかし、2023年の第1四半期におけるWindows 11の使用率(25.44%)と比較すると、徐々に導入が進んでいることがわかります。これは、ユーザーがより良いパフォーマンスを求めてシステム移行を進めていることを示しています。

新しいシステムの利用が徐々に増えているということは、ユーザーのディスク管理に対するニーズも高まっていることを意味します。たとえば、MBRをGPTに変換するなどの対応が求められることもあります。

とはいえ、新しいシステムには一定のメリットがあるものの、すべてのパソコンがWindows 11へのアップグレードに対応しているわけではありません。自分のシステムやPCが新しいOSに対応しているか不安な場合は、Windows 11の動作要件を確認することをおすすめします。もしデバイスが対応していない場合は、無理にアップグレードを行うとシステムのクラッシュやデータ消失の原因になる恐れがあるため、注意が必要です。

アップグレードができない場合でも、現在の古いシステムのパフォーマンスを最適化・向上させる方法はいくつかあります。たとえば、Cドライブに十分な空き容量を確保する、不要なシステムファイルを定期的にクリーンアップする、新しいディスクを追加する、または既存のパーティション容量を拡張するといった対策が効果的です。また、定期的にハードディスクの健康状態をチェックすることも非常に重要です。

あなたはどのWindows OSがお好みですか?ボタンをクリックして、あなたのアイデアをお友達と共有してください。

 

EaseUSによる2023年のディスク使用状況まとめと推奨事項

パソコンに2台以上のハードディスクを使用するユーザーは、全体の60%以上にのぼっています。EaseUSの調査では、ユーザーのハードディスク使用習慣や好みを分析した結果、以下のような傾向が明らかになりました。

  • Cドライブに確保されている容量は主に64GB〜512GBの範囲で、全体の40〜60%のユーザーが256GB未満にとどまっています。
  • システムディスクには、70%以上のユーザーがSSDを選択しています。
  • システムディスクのパーティション形式として、50%以上のユーザーがGPTを使用しています。
  • Windows 10およびWindows 11が主流OSとなっており、これまで以上にハードディスクに求められる要件が高まっています。

収集したデータをもとに、EaseUSは以下のような原因や潜在的な問題を特定し、それに対する適切なアドバイスをまとめました:

  • 多くのユーザーがCドライブに割り当てる容量が少ない傾向にあります。しかし、Cドライブにはシステムや重要なファイルが含まれており、容量不足になりやすい場所でもあります。パーティションの初期設定時に十分な容量を確保しておくことが重要です。その後も必要に応じてCドライブの容量を拡張したり、定期的に不要ファイルを整理したりすることで、システムの安定動作を保つことができます。
  • SSDはHDDに比べて読み書き速度が速く、パフォーマンスも優れているため、システムディスクとしてSSDを使用することを強く推奨します。新しくOSをインストールする以外にも、現在のHDDからSSDへシステムを移行することで、起動時間や全体的なパフォーマンスの向上が期待できます。
  • MBR形式には容量制限などの制約があり、Windows 11へのアップグレード要件とも合致しないため、GPT形式へ移行するユーザーが増えています。Windowsには、MBRからGPTへの変換を支援する方法も用意されています。
  • Windows 7や8などの旧システムは徐々に使用が減っており、一方で新しいWindows 11の導入が進んでいます。システムをアップグレードする際は、自分のPCが対応しているか必ず確認しましょう。事前にバックアップを取ることで、データを失うことなくアップグレードすることが可能です。また、アップグレード後は、新OSに適したディスク形式への変換など、必要な要件を満たすよう早めの対応が大切です。