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個人でも仕事でも、あらゆる場面でデジタル情報が重要な役割を果たしている現代において、データの価値は計り知れません。6か月間にわたるユーザー調査をもとに、ファイル復元に関する数百万件のデータを集計・分類し、データ損失と復元の傾向を分析した本レポートを作成しました。

今回のレポートでは、以下のような件数の情報をもとに分析を行いました:

  • データ損失のシナリオ数:496,142件
  • 使用されていたオペレーティングシステム:635,372件
  • 使用されたコンピューター:724,769件
  • データを保存していたストレージデバイス:726,418件
  • ファイルシステム:764,477件

本レポートは、個人および企業におけるデータ損失の発生状況とその大きな影響について深く掘り下げています。また、WindowsやmacOSなど、OSの利用傾向の変化とそれがデータ復元ソフトの開発に与える影響についても考察しています。

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EaseUS 2024年データ復元統計レポート 第1弾

さらに本レポートでは、使用されているディスクの種類についても分析しており、HDDからSSDへの市場の移行が見られることがわかりました。また、ファイルシステムの使用状況についても取り上げており、NTFSが主流であることが明らかになっています。

これらのユーザーデータをもとに、テクノロジーの進化やユーザーのニーズの変化に対応しながら競争力を保つためのデータ復元ソフト開発に関する提言も、本レポートの最後にまとめています。

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よくあるデータ損失のケースとは?

私たちは、496,142件のデータ損失のケースを分類・分析しました。その結果、もっとも多かった原因は「論理的なエラー(ソフトウェア的な問題など)」で、全体の約40%、198,457件を占めていました。この場合、データ復元の成功率も比較的高い傾向にあります。

2番目に多かったのは、「ハードウェアの物理的な故障」によるデータ損失で、全体の30%を占めていました。このような場合には、専門のデータ復旧サービスを利用することでデータを取り戻せる可能性があります。また、あらかじめバックアップを取っておくことで、こうした損失を防ぐこともできます。

1.ハードウェアの故障(約30%)

  • 物理的な故障:経年劣化、衝撃、突然の電源断などにより、データが読み込めなくなる、またはアクセスできなくなることがあります。
  • 不良セクタ:製造上の欠陥やその他の原因によりディスクに不良セクタが発生し、保存されたデータにアクセスできなくなることがあります。

2.論理的なエラー(約40%)

  • 誤って削除:ユーザーが重要なファイルやデータをうっかり削除してしまうケースです。
  • フォーマットのミス:ストレージデバイスを誤ってフォーマットしてしまい、データが消えてしまうことがあります。
  • ファイルシステムの破損:ファイルシステムが破損すると、バックアップが難しくなったり、データへのアクセスができなくなり、重要な情報を失うリスクが高まります。

3.ソフトウェアの問題(約20%)

  • ウイルス感染:マルウェア(悪意のあるソフト)による攻撃で、ランサムウェアによる暗号化やウイルスによってデータが削除されることがあります。
  • システムクラッシュ:OSの不具合やアップデートの失敗などが原因で、データが失われる場合があります。

4.自然災害(約5%)

  • 火災、水濡れ、液体のこぼれ、ほこり、地震などにより、保存機器が直接ダメージを受け、データが永久に失われることがあります。

5.人的ミス(約5%)

  • 個人的なミス:故意の破壊行為や内部関係者の操作ミス、デバイスの落下などが原因でデータが失われることがあります。
  • 機器の紛失・盗難:ノートパソコンや外付けハードディスクなどの紛失や盗難によるデータ損失も該当します。

データ損失のケース

データ損失が個人や企業に与える影響とは?そして何をすべきか?


個人の場合

🟡影響

  • 家族写真や大切な書類、重要な記録などを失うと、思い出が取り戻せなくなる可能性があります。
  • 学校や仕事に関する資料を失うと、学習やキャリアに悪影響を及ぼすことがあります。
  • 特にフリーランスやリモートワークの方にとっては、急にファイルが失われると仕事に大きな支障が出ることがあります。

🟢対策

  • データ復元用のソフトを使って、失ったデータを復旧できるか試してみましょう。
  • 定期的に外付けハードディスクやクラウドにバックアップを取りましょう。
  • セキュリティの知識を高め、ウイルス対策ソフトを導入しておきましょう。
企業の場合

🟡影響

  • 顧客情報や取引データの喪失により、収益の減少や裁判などの法的トラブルにつながる可能性があります。
  • 重要な業務システムが停止すると、日常業務が妨げられ、顧客からの信頼も損なわれます。
  • データ漏えいが起きると、企業のブランドイメージが傷つき、長期間にわたる信用の低下につながります。

🟢対策

  • 会社内と外部(オフサイト)の両方にバックアップを取る、多層的なバックアップ体制を整えましょう。
  • 災害時の復旧計画(ディザスタリカバリープラン)や業務継続計画(BCP)を事前に策定しておきましょう。
  • サイバーセキュリティ対策を強化し、社員への定期的なセキュリティ研修を行いましょう。

まとめると、データを失ったときの影響は、ユーザーのタイプによって異なる課題があります。しかし、あらかじめ予防策をしっかり取り、復旧の準備をしておけば、データ損失によるダメージを大きく減らすことができます。

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オペレーティングシステムのユーザーシェアは?

2023年12月から2024年5月にかけて、さまざまなバージョンのWindowsのユーザー数を観察・比較しました。その結果、Windows 10のインストール数はやや減少したものの、依然として最も多く使われており、シェアは7.74%となっています。一方、Windows 11の使用率は増加傾向にあり、現在は5.17%を占めています。また、Windows 7のユーザーは徐々に新しいバージョンへ移行しており、Windows 8、8.1、XP、Vistaといった旧バージョンのシェアは急激に減少しています。

🖥️ Windows OSのデータ:

  • Windows 11:インストール数は129,754件から141,120件へと増加し、シェアも4.76%から5.17%へ上昇しました。このことから、Windows 11は徐々にユーザーに受け入れられ、新規インストールの選択肢として人気が高まっていることがわかります。
  • Windows 10:インストール数は232,346件から211,210件へと減少しましたが、観測期間を通じて常に最も高いインストール比率を維持しており、シェアは8.52%から7.74%へわずかに低下しました。一部のユーザーが新しいバージョンへ移行したと考えられますが、Windows 10は依然として大きなユーザー基盤を持っています。
  • Windows 7:インストール数は30,069件から27,098件に減少し、シェアも1.10%から0.99%に低下しました。これにより、ユーザーがより新しいOSへ移行し続けていることが示されています。
  • Windows 8.1(8.1)、Server、8、XP、Vista:これらのOSは全体的にインストール数・シェアともに低い傾向にあり、多くのバージョンで減少傾向が見られます。とくにWindows Vistaは、利用数の伸びがほぼ見られず、すでに時代遅れのシステムとなっており、市場での存在感はごくわずかです。

Windowsオペレーティングシステムのデータ

🍎macOSのデータ:

233,483件のmacOSに関する調査の結果によると、最新のmacOSバージョンであるmacOS 12、13、14が全体の83%以上を占めており、ユーザーが新しいシステムに集中していることがわかります。macOS 11、10.15、それ以前のバージョンはごくわずかしか使用されておらず、新しいシステムへの移行が進んでいる傾向が見られます。

  • macOS 14(Sonoma):2023年9月26日に公開された最新バージョンで、シェアは27.98%。新機能やセキュリティ強化を求めて、素早くアップデートするユーザーが多いことがうかがえます。
  • macOS 13(Ventura):シェア33.48%と最も多くのユーザーに使われており、現在の主流バージョンとなっています。
  • macOS 12(Monterey):シェアは21.20%で、こちらも多くのユーザーに利用されているメインのバージョンのひとつです。
  • macOS 11(Big Sur):シェアは8.93%。安定した使い心地が評価されており、慣れた環境を好むユーザーが継続して使用しているようです。
  • macOS 10.15(Catalina):シェアは8.24%。非常に安定したバージョンで、安定性を求めるユーザーに支持されています。
  • macOS 10.14(Mojave):シェアはわずか0.05%。インターフェースやデザインの好みから、あえてこのバージョンを使い続けているユーザーもいます。
  • macOS 10.13(High Sierra):シェアは0.09%。新機能よりも安定性や信頼性を重視するユーザーに支持されている傾向があります。
  • macOS 10.12(Sierra):シェアはわずか0.02%。特定の古いソフトウェアとの互換性を理由に、あえてこのバージョンを使用し続けるケースもあるようです。

macOSのデータ

🤔観察結果と考察:

  • Windows(Windows 11 と 10)やmacOS(Sonoma、Ventura、Monterey)など、ユーザー数の多いバージョンが広く使われていることを考えると、データ復元ソフトはこれら最新のOSに素早く対応し、互換性と機能の安定性を保つことが非常に重要です。システムのアップデートや技術の進化に素早く対応することで、製品の競争力や市場での柔軟な適応力を維持できます。
  • また、ほとんどのユーザーが新しいOSを使っているとはいえ、いまだに古いシステムを利用している人もいるため、データ復元ツールはある程度の「後方互換性(古いOSへの対応)」も備えておく必要があります。これは、すべてのユーザーのニーズに応えるために大切です。

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WindowsユーザーとMacユーザーが使っているコンピュータの種類

私たちの調査によると、497,814人のWindows向けデータ復元ソフトのユーザーは、主にデスクトップPCとノートパソコンを使用しています。Windowsでは、デスクトップPCの使用率が約52.13%と高く、安定したユーザー層があることがわかります。一方で、ノートパソコンのシェアは43.57%まで伸びており、持ち運びの便利さを重視するユーザーが増えていることが示されています。

Windowsパソコンの利用状況:

  • デスクトップパソコン:最も多く使われており、255,223台で約52.13%を占めています。安定したユーザー数が特徴です。
  • ノートパソコン:次に多く、213,312台で全体の43.57%を占めています。わずかながら増加傾向にあり、持ち運びしやすい点が支持されていると考えられます。
  • 不明なデバイス:29,279台、全体の4.30%と少数です。このカテゴリには、特定できない機器が含まれており、使用率は減少傾向を示しています。

Windowsパソコンの利用状況

Macの利用状況

Macユーザーは226,955台。Macの分野では、プロ仕様のMacBook ProやスリムなMacBook Airを中心に、携帯性に定評のあるMacBookシリーズの人気が続いている。Mac ProやiMac Proといったハイエンドの作業用機器は、割合は少ないものの、特定のプロフェッショナル・ユーザー層向けに一定の市場が残っている。

  • デスクトップMac:iMac、Mac mini、Mac Studio、Mac Pro、iMac Proなどのデスクトップ型コンピュータは、合計でユーザーの約18.81%を占め、ユーザーの間で携帯可能なMacデバイスが明らかに好まれていることを示している。
  • ノート型MacBook主にMacBook ProとMacBook Airのシェアが80%を超えている。最も支持されているのはMacBook Proで、110,796人、シェア48.82%。僅差でMacBook Airが続き、70,841人で全体の31.21%を占めている。

マックデバイス統計

観察結果と考察:

  • ✅マルチデバイス対応の重要性:調査結果から、WindowsユーザーとMacユーザーでは使うデバイスの傾向が異なることが分かりました。WindowsユーザーはデスクトップPCを多く使用している一方で、MacユーザーはMacBook ProやMacBook Airといった持ち運びに便利なノート型の端末が人気です。EaseUS Data Recovery Wizard のような優れたデータ復元ソフトは、デスクトップとノートパソコンの両方に対応する必要があります。また、古い機種や特殊な端末にも対応できることで、潜在的な顧客層の拡大やブランドイメージの向上にもつながります。

    👈モバイル利用の最適化:ノートパソコンの利用が増えており、ポータブル性を重視する人が多いことから、データ復元ソフトも「持ち運びやすい体験」を意識すべきです。たとえば、軽量なアプリの開発やクラウドサービスの導入によって、どのデバイスからでもすばやく復元処理が始められる仕組みを整えることが重要です。

この統計情報が、さまざまなコンピュータデバイスのユーザーシェアを理解するのに役立ったら、ぜひこの記事を友人にもシェアしてください!

 

データ記憶装置の統計(種類と容量)

このセクションでは、記憶媒体に関するデータを紹介します。主に、SSDやHDDのユーザー数、さまざまな種類のストレージデバイスのシェア、さらに容量ごとのユーザー数や市場規模について解説していきます。

💽HDDとSSD

ディスクの種類に関するデータ分析によると、HDDとSSDは現在も併存しており、SSDがわずかにHDDを上回っています。全体として、ストレージ市場は従来のHDDから、より高速で効率的なSSDへとシフトしている傾向が見られます。

  • HDD:全体の49.31%を占めています。SSDの普及が進んでいる中でも、HDDはコストパフォーマンスの良さと長年の実績により、依然として多くのユーザーに使われています。特に、大容量のデータ保存が必要で、読み書きスピードがそれほど求められない用途では、HDDが選ばれています。
  • SSD:全体の50.69%と、HDDよりやや多い割合を占めています。SSDは読み書きのスピードが速く、省電力で、耐久性にも優れていることから、急速に利用が広がっています。特に、高性能なコンピューティングや素早いレスポンスを求めるユーザーの間では、新しいシステムやアップグレード用としてSSDが第一選択となりつつあります。

HDDとSSD

🧫ストレージデバイスの種類(内蔵/外付けハードディスク、SDカードなど)

ユーザーのデータ保存に使われるストレージの種類は、主に内蔵ハードディスクが中心ですが、外付けハードディスクやSDカードも、さまざまなニーズに対応するための重要な補助的手段として使われています。

  • 内蔵ハードディスク:市場全体の50.81%を占めており、多くのユーザーやシステムで内蔵型の固定ストレージが好まれていることを示しています。これは、内蔵型のほうが高速で安定しており、システムに直接組み込めて便利な点が理由と考えられます。
  • 外付けハードディスク:市場の25.36%を占めており、モバイルストレージやバックアップの需要が高まっていることがうかがえます。容量の拡張やデータ移行、持ち運びのしやすさなどを目的に外付けハードディスクを選ぶユーザーが多くいます。
  • SDカード:全体の16%を占めており、デジタルカメラやスマートフォン、タブレットなどの携帯電子機器で広く使われていることが分かります。特に、小型・軽量のストレージを必要とする場面で重宝されています。
  • 不明なデバイス:8.32%を占めており、新しいストレージ技術や特定用途向けの専用デバイスなどが含まれている可能性があります。

ストレージデバイスの種類

🧮ストレージ容量に関するデータ

調査によると、ストレージデバイスの容量には多様なニーズがあり、主に16GB以下の小容量ディスクや、128GB〜512GBの中容量ディスクが高い使用率を示しています。一方で、2TBを超えるような大容量ハードディスクは比較的少ないことがわかりました。

この傾向は、現在の市場では「小型で持ち運びやすいストレージ」が好まれていることを反映しています。しかし、今後は技術の進歩や価格の低下により、大容量のストレージを選ぶ人も増えていく可能性があります。

小容量ストレージ(全体の約40%)

  • 16GB以下:25.9%
  • 16GB~32GB:7.6%
  • 32GB~64GB:5.8%

小容量ストレージでは「16GB以下」が圧倒的に多く、全体の中でも大きな割合を占めています。これらのデバイスは、USBメモリ、カメラ用SDカード、ドライブレコーダー、専用機器などで広く使われています。小容量が全体としては多く使われている一方で、32GB~64GBといったやや大きめの容量帯は、割合としては比較的少なめです。

中容量ストレージ(全体の約41%)

  • 64GB~128GB:10%
  • 128GB~256GB:14.8%
  • 256GB~512GB:16.1%

中容量のストレージは、パソコン市場の中心的存在であり、非常に高いニーズがあります。これらの容量は、日常的なパソコンの使用(例えば、仕事、学習、軽いゲーム、マルチメディアの視聴など)に十分対応でき、多くの一般ユーザーにとって使いやすい選択肢です。技術の進化と価格の低下により、この容量帯の製品はますます人気が高まっています。

大容量ストレージ(1TB以上、全体の約7.3%)

大容量のストレージは、主に大きなデータ保存が必要なユーザー向けです。たとえば、プロのコンテンツ制作者、企業向けサーバー、高性能なゲーミングPCなどが該当します。近年では、高画質映像の保存やビッグデータの分析などにより、データ量が急増しており、大容量ハードディスクへの需要もこれからさらに増えると予想されます。ただし、その成長スピードは中容量市場ほど急速ではないかもしれません。

ストレージ容量

WindowsとmacOSにおけるファイルシステムの統計

Windowsのオペレーティングシステムでは、分析対象となったディスクのファイルシステムのうち「NTFS」が61%以上を占めており、今後も主流かつ最も広く使われているファイルシステムであり続けると見られます。一方で「FAT32」や「exFAT」も一定の割合を占めており、ポータブル(持ち運び可能な)ストレージ機器への需要が引き続き高いことを示しています。

Windowsにおけるファイルシステムの種類:

  • ext4/3/2 と HFS+:これらのファイルシステムは、Windowsではほとんど使用されていません。ext系は主にLinuxに使われ、HFS+はAppleがMac OS X向けに開発したものです。とはいえ、Windowsでも一部互換性があります。
  • FAT16:古い形式のファイルシステムで、通常はUSBメモリなど容量の小さいストレージデバイスに使われます。全体の1.09%を占めており、上記の2つ(ext系やHFS+)よりは多く使われています。
  • exFAT:MicrosoftがFAT16やFAT32の後継として開発したファイルシステムで、大きなファイルの取り扱いやパフォーマンスの向上を目的としています。Windowsでの使用率は6.66%で、ある程度利用されていることがわかります。
  • FAT32:これも古いファイルシステムですが、外付けハードディスクなどの大きめのストレージに今でもよく使われています。使用率は14.75%と高く、exFATやFAT16よりも広く使われています。
  • 不明なパーティション:この項目は、破損したパーティションなどにより認識できないディスクの種類を指します。16.07%を占めており、かなりの数のパーティションが何らかの原因で認識されていないことを示しています。
  • NTFS:現在、最も広く使用されているファイルシステムの1つで、大容量でも使用可能な高性能なフォーマットです。使用率はなんと61.11%に達しており、Windows上のほとんどのストレージデバイスがNTFSを採用していることがわかります。

Windowsにおけるファイルシステムの種類

macOSにおけるファイルシステム

ユーザー調査データをもとに、Macの内蔵・外付けハードディスクに使われている数十万件のファイルシステムの種類を集計しました。macOSで主に使用されているファイルシステムは「APFS」「MS-DOS(FAT32)」「HFS+」「NTFS」「exFAT」の5種類です。

  • APFS:Macの内蔵ハードディスクにおいて、最も使用されているファイルシステムで、使用率は74.42%にも達しています。高速なコピー機能や強力な暗号化のサポートなどによって、多くのユーザーに利用されています。
  • MS-DOS(FAT32):内蔵・外付けの両方のハードディスクにおいて、使用率が20%以上あります。FAT32は互換性が高く、非常に幅広い用途に対応できます。カメラやゲーム機などのモバイル機器では、コンピューターとの接続やデータ移行を容易にするためにFAT32をサポートしていることが多いです。
  • HFS+:外付けハードディスクにおいて、使用率は16.26%です。これはAPFSが導入される前にMacの標準ファイルシステムとして広く使われていたもので、今でも古いMacストレージに多く残っています。
  • NTFS:外付けハードディスクにおける使用率は5.43%と、それほど多くはありません。NTFSはWindowsの標準ファイルシステムですが、WindowsとMacの間でデータを共有するために使用されることがあります。macOSは標準でNTFSを読み込み専用でサポートしており、書き込みを行うにはサードパーティ製のドライバが必要です。
  • exFAT:主に外付けハードディスクで使われており、使用率は25.82%にのぼります。exFATはWindowsとmacOSの間で大容量ファイルをやり取りできるように設計されており、互換性が高く、大きなファイルにも対応しているため、異なるOS間でのデータ共有を考慮して選ばれることが多い形式です。

macOSにおけるファイルシステム

データ復元ソフトは、NTFS、FAT32、exFATといった主流のファイルシステムを正確に識別・処理できるようにすることが重要です。同時に、AI(人工知能)や機械学習技術を活用して、未知のファイルシステムに対応する「インテリジェント認識モジュール」を開発することも求められます。これは、特に深刻な損傷を受けたファイルシステムや、標準とは異なる形式のデータに対処する際に有効です。

また、AppleのHFS+やLinuxのEXT系など、利用者は少なくても重要なファイルシステムについては、より深いレベルの復元が可能になるよう機能を強化することで、これらのユーザーのニーズにも応えることができます。

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EaseUSデータ復元に関する統計まとめ

上記のユーザー利用状況、オペレーティングシステム、ディスク関連のデータに基づき、データ復元ソフトは次のような点を強化・改善することで、現在のユーザー層へのサービス向上と、技術の進化やシステムのアップグレードに対応した競争力の維持、そして拡大し続ける市場の需要に応えることが期待されます:

  • マルチプラットフォーム対応:ユーザーの多くがWindowsを使用していることから、データ復元ソフトは幅広いWindows環境で高い互換性と性能を発揮する必要があります。一方、MacBook ProやMacBook Airの市場シェアも非常に大きいため、これらの機種への対応も優先的に強化すべきです。また、旧モデルであるMacBook、Mac Pro、Mac miniといったデバイスへのサポートも提供し、より多くのユーザーに対応できるようにしましょう。
  • 📱モバイル対応の最適化:ノートパソコンやポータブルデバイスの利用が増加しているため、データ復元ソフトも軽量で使いやすいアプリの開発や、クラウドサービスを活用した「どこでも速やかに開始できるデータ復元体験」を目指す必要があります。
  • 🎯多様なディスクタイプへの対応:現在、HDDに代わってSSDが主流になりつつあります。そのため、SSDに特化したデータ復元の最適化が求められますが、依然としてHDDを使うユーザーも多いため、両方に対応し続ける必要があります。また、16GB以下の小容量から2TB以上の大容量まで、あらゆるストレージ容量に対応できる復元機能も重要です。
  • 🔰クラウドサービスとの連携とバックアップ機能:クラウドバックアップ市場は2027年までに1,990億ドル規模に達すると予測されています。データ復元ソフトもクラウドバックアップ機能を取り入れ、クラウドからの復元にも対応するべきです。主要なクラウドプロバイダー(例:Google Drive、Dropbox、OneDriveなど)との連携により、スムーズなデータ移行や復旧を可能にしましょう。
  • 🚩AIによる自動化とインテリジェント機能:AIや機械学習を活用して、復元作業の効率を向上させたり、データ損失の傾向を自動で分析したり、復元成功率を事前に予測できる機能があると効果的です。AIが問題の原因を迅速に診断し、最適な対応を提案することで、ユーザー体験が大きく向上します。
  • 🧑‍💻ユーザー教育とセルフサービスの充実:ユーザー自身がデータ保護の意識を高めることも重要です。そのため、データバックアップの方法や、誤操作・マルウェアによるデータ損失を防ぐための教育コンテンツを提供しましょう。また、直感的な操作画面やチュートリアルを用意し、簡単な診断や復元をユーザー自身が行えるようにする一方で、複雑なケースには専門家によるサポートも提供することが理想です。

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