パーティションとは?初心者にもわかりやすく解説

さわこ |カテゴリ:パーティション管理| 2025年08月19日に更新

概要:

パーティションとは何かを初心者にもわかりやすく解説し、その利点や種類、作成・管理方法を紹介します。Windows標準機能に加えて、無料で使えるEaseUS Partition Masterを使った簡単な操作方法も丁寧に説明。パソコンを効率よく使いたい方必見の内容です。

パーティションの定義

パーティションとは、簡単に言えば「ハードディスク(HDD)やSSDを区切って使う仕切り」のことです。1台の物理的なディスクを、複数の「仮想的な」ドライブとして分割することで、それぞれに異なる役割を持たせたり、利便性を高めたりすることができます。

たとえば、1台の500GBのHDDを以下のように分けることが可能です:

  • Cドライブ(OS用):250GB
  • Dドライブ(データ保存用):250GB

このように分けることで、まるで2台の異なるハードディスクがあるかのように使うことができ、管理もしやすくなります。

パーティションの種類とその役割

パーティションと一口に言っても、実はさまざまな種類があり、それぞれ異なる役割を持っています。ここでは、知っておくと便利なパーティションの分類と、その目的・使い方の違いについてわかりやすく解説します。

プライマリパーティションと論理パーティション

パーティションには大きく分けて2つのタイプがあります。それが「プライマリパーティション(Primary Partition)」と「論理パーティション(Logical Partition)」です。

プライマリパーティション 論理パーティション

システムが直接起動できるパーティションで、最大4つまで作成できます(MBRディスクの場合)。

Windowsのシステムや、他のOSをインストールする際は通常、この領域が使われます。

MBRの制限(最大4つのプライマリ)を補うため、1つのプライマリパーティション分を「拡張パーティション」に設定し、その中に複数の「論理パーティション」を作ることができます。

論理パーティションはデータ保存やバックアップなどに使われますが、OSは基本的にここからは起動できません。

起動用やOSインストール → プライマリパーティション

データ保存やバックアップ領域 → 論理パーティション

システムパーティションとデータパーティション

パーティションは使い方によっても名前や役割が変わります。日常的によく使われるのが「システムパーティション」と「データパーティション」です。

システムパーティション データパーティション

Windowsなどのオペレーティ ングシステム本体や、起動に必要なファイルが格納されているパーティション。通常は「Cドライブ」として扱われます。PCの起動や動作に深く関わるため、ここに不要なファイルを入れすぎるとパフォーマンスに影響が出ることも。

写真・動画・WordやExcelなどの個人データを保存するためのパーティションです。万が一、OSが故障してシステムの再インストールが必要になっても、この領域にデータを保存していれば影響を受けません。

パフォーマンスと安全性を両立させるために、システムとデータは別々のパーティションに分けておくのがおすすめです。

MBRとGPT

「MBR」と「GPT」は、ディスク内のデータ構造を管理する「パーティションスタイル」と呼ばれる方式です。

項目 MBR GPT
最大容量 約2TB 2TB以上も対応可能
最大パーティション数 4(プライマリ) 128(Windowsの場合)
主な用途 古いPC、BIOS起動 新しいPC、UEFI起動
データ冗長性 なし バックアップヘッダあり

GPTは現在主流で、特に新しいPCやWindows 11環境では標準になっています。

MBRとGPTの違い、それぞれの特徴、確認方法、相互変換方法

MBRとGPT、ユーザーに最も利用されているパーティション形式です。この記事では、MBRとGPTについて詳しく解説します。

パーティションを作成・変更するメリット

データ整理がしやすくなる:用途ごとに分けることで、ファイルやフォルダーの管理が効率的になります。

システムとデータを分離でき、安全性が向上:OSトラブル時でも、個人データを別パーティションに保存していれば影響を最小限に抑えられます。

バックアップの効率が良くなる:必要なパーティションだけをバックアップ対象にでき、作業時間や容量を節約できます。

OSのマルチブートが可能になる:WindowsとLinuxなど複数のOSを1台のPCで使いたい場合、それぞれの専用領域が必要です。

ディスク容量を柔軟に管理できる:パーティションごとに容量を調整することで、用途に応じた最適な使い方ができます。

SSDパーティション設定時のポイント

  • TRIMコマンドに対応しているか確認:SSDは書き込み速度を最適化するために「TRIM」と呼ばれる最適化コマンドが使われます。OSやソフト側がきちんと対応していない場合、SSDの寿命や速度に影響する可能性があります。
  • 必要以上に細かく分けすぎない:SSDはHDDに比べて寿命が限られているため、パーティションを細かく分けすぎると書き込みが偏り、寿命を縮めるリスクがあります。
  • アライメント(整列)に注意:SSDのパーティションは「アライメント」が正しく調整されていないと、アクセス速度が低下することがあります。

パーティションの操作方法

方法1.Windowsの「ディスクの管理」機能を利用する

Windowsには、「ディスクの管理」というツールが標準で搭載されており、パーティションの作成や削除、サイズ変更などの基本操作を行うことができます。追加のソフトをインストールせずに使えるため、手軽で安全性も高いのが特長です。

注意点

  • システムパーティションのサイズ変更には制限があります。
  • 未使用領域がない場合、新規パーティションの作成はできません。
  • 「拡張」や「縮小」がグレーアウトして選べないこともあり、柔軟性には限界があります。

そのため、もっと細かく自由に操作したい場合は、後述のEaseUS Partition Masterなどの無料ソフトを使うのもおすすめです。

方法2.Windowsのコマンドプロンプトを利用する

Windowsには、コマンドプロンプトで使用できる「diskpart」というパーティション管理用のコマンドラインツールが標準搭載されています。diskpartは、パーティションの作成・削除・フォーマットなど、詳細な操作が可能な便利なツールの一つです。

ただし、文字入力による操作形式のため、コマンドを誤って実行するとパーティションが削除されたり、データが失われるおそれもあるため、使用時には十分な注意が必要です。

使用上の注意点

  • diskpartは非常に強力ですが、誤操作によるパーティション削除やデータ消失のリスクがあります。
  • 実行する前に操作するディスクやパーティション番号を必ず確認してください。
  • 操作中に「この操作は取り消しできません」と表示された場合は、慎重に内容を確認してから進めましょう。

方法3.パーティション管理ソフトを利用する

Windowsの「ディスクの管理」やコマンド操作による「diskpart」は、ある程度パソコンに慣れている方なら問題なく使えますが、初心者の方には操作方法がわかりづらかったり、間違った手順で思わぬトラブルを招く可能性もあります。

そこで便利なのが、初心者でも簡単・安全に操作できるフリーソフト「EaseUS Partition Master」です。このソフトは、パーティション分割や結合、サイズ変更、フォーマット、MBR GPT変換などの操作がすべて“画面上のクリック操作”で行えるため、難しい知識がなくても直感的にパーティションを管理できます。

主なメリットは以下の通り:

  • 操作前にプレビュー表示があり、「変更を適用」しない限り実行されないので安心
  • データを保持したままパーティションサイズの変更や移動が可能
  • ワンクリックで未割り当て領域へのパーティション作成ができる
  • MBR/GPTの変換も無料条件内で対応可能な場合あり

このように、EaseUS Partition Masterは初心者にとって「わかりやすくて、失敗しにくい」理想的なパーティション管理ソフトといえるでしょう。

よくある質問

1.パーティション分割でデータは消える?

基本的に、既存のパーティションを「縮小」して未割り当て領域を作り、そこに新しいパーティションを「追加」する場合は、元のデータが消えることはありません。ただし、操作ミスや停電などで予期せぬトラブルが起こる可能性もあるため、分割作業を行う前には必ず大切なデータのバックアップをとっておくことをおすすめします。

2.どのくらいの容量でパーティションを分ければいい?

目的に応じて分け方は異なりますが、一般的な目安は以下のとおりです:

  • Cドライブ(システム・アプリ用):100~200GB程度
  • Dドライブ(データ保存用):残りの容量すべて

もしゲームや重めのアプリケーションを多数インストールする予定がある場合、Cドライブにもう少し余裕(250〜300GB程度)を持たせても良いでしょう。また、バックアップ用や作業ファイル専用のパーティションを追加で作るのも、運用面では有効です。

3.SSDにもパーティションを作成するべき?

はい、SSDにもパーティションを作成することは可能で、目的によってはおすすめです。特に、システム(OS)とユーザーデータを明確に分けることで、トラブル時のリカバリーやバックアップ作業がスムーズになります。

ただし、HDDと比べてSSDは書き込み回数に制限があるため、必要以上に細かくパーティションを分けすぎないよう注意しましょう。基本的には2〜3分割程度に留めておき、適切に使用すれば寿命に大きな影響はありません。

また、SSDにパーティションを作成・変更する際は、パーティションアライメント(整列)に対応したソフトを使うことで、性能劣化を防げます。EaseUS Partition Masterなどの高性能なフリーソフトであれば安心です。

4.間違ってパーティションを削除したら復元できる?

完全に削除されたパーティションでも、条件によってはデータを復元できる可能性があります。たとえば、削除直後で上書きが行われていない場合は、復旧ソフトを使ってかなりの確率で元に戻せます。

EaseUS Data Recovery Wizard のような復元専用ソフトを利用すれば、削除済みパーティションのスキャンとデータ救出が可能です。ただし、削除後に新しいデータを書き込んでしまうと、復元率が大きく下がります。復元を試みる場合は、すぐにパソコンの使用を停止し、新たな操作を控えるようにしましょう。できれば別のPCからソフトを導入し、対象ディスクをスキャンしてみるのがベストです。

まとめ

快適にパソコンを使い続けるためには、目的に合ったパーティションの設計と定期的な管理が重要です。特に初心者の方には、直感的に操作できるフリーソフト(例えばEaseUS Partition Master)の活用がおすすめです。パーティションを適切に分けることで、データの安全性が向上し、バックアップや整理も効率的に行えます。使いやすさと安心感を両立したパーティション管理で、快適なPCライフを実現しましょう。