Windows 11にアップグレードできない?対処法と回避策

さわこ |カテゴリ:ポータブルOS作成| 2025年06月24日に更新

概要:

Windows 11にアップグレードできない原因の多くは、お使いのパソコンが必要な最低限のハードウェア要件を満たしていないためです。このガイドでは、そんな場合でもWindows 11をインストールするための手順・ツール・ヒントをわかりやすく解説します。

Microsoftは、2025年10月にWindows 10のサポートを終了する予定です。つまり、その日以降はWindows 10に対するソフトウェアのアップデート、技術的なサポート、セキュリティ修正などが提供されなくなります。MicrosoftはWindows11へのアップグレードを推奨していますが、一部のパソコンではWindows11にアップグレードできない場合があります。

Windows11には厳しいハードウェア要件があるため、お使いのパソコンがそれを満たしていないと、アップグレードできない可能性があります。Microsoftによれば、公式に対応していないPCを使用している場合は「新しいパソコンを購入する必要がある」としていますが、新しい機器を買わなくてもアップグレードする方法はいくつかあります。自分に合った方法を見つけるために、ぜひ続きをご覧ください。

なぜWindows11にアップグレードできないのか

お使いのパソコンがWindows11の最低ハードウェア要件を満たしていないか、デバイスに何らかの互換性の問題があるため、Windows11にアップグレードできない可能性があります。MicrosoftはWindows11のインストールにおいて、特定のプロセッサ(CPU)、メモリ(RAM)、ストレージ、TPM 2.0、セキュアブートなど、厳しいハードウェア要件を設定しています。また、サードパーティ製のソフトウェアやドライバーの問題が、アップグレードを妨げることもあります。

以下に、Windows11にアップグレードできない主な理由を詳しく説明します:

➡️お使いのPCがハードウェア要件を満たしていない

項目 要件内容
プロセッサー 1GHz以上、2コア以上の64ビット対応CPU
メモリ (RAM)     4GB以上
ストレージ 64GB以上の空き容量
グラフィックス DirectX 12対応のGPU、WDDM 2.0ドライバが必要
ファームウェア UEFI対応、セキュアブート対応
TPM バージョン2.0
ディスプレイ 720p以上の解像度、9インチ以上、8ビットカラー対応
インターネットとアカウント セットアップ時にインターネット接続とMicrosoftアカウントが必要

➡️ 互換性の問題:

  • ドライバーの更新不足:PCのドライバーが最新であることを確認してください。古いドライバーはアップグレードを妨げる原因になります。
  • サードパーティ製ソフトウェア:ウイルス対策ソフトやセキュリティソフトがWindowsのアップグレードに干渉することがあります。

➡️ その他の要因:

  • Windows11のアップデートをダウンロード・展開・インストールするには、システムドライブ(通常Cドライブ)に十分な空き容量が必要です。お使いのPCがWindows11に対応しているかどうかを確認するには、Microsoftが提供している「PC正常性チェック」アプリを使って互換性をチェックできます。
  • もし「このPCは現在、Windows11のシステム要件を満たしていません」というメッセージが表示された場合でも、選択肢はいくつかあります。

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方法1.有料の「拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)」を利用する

Microsoftは、2025年10月14日にWindows 10の公式サポートを終了する予定ですが、別の選択肢も用意されています。それが、有料の「拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)」です。ESUを利用することで、サポート終了後も年額サブスクリプション方式で、重要なセキュリティ更新を引き続き受け取ることができます。

ただし、ESUには以下の内容は含まれません:

  • 新機能の追加
  • セキュリティ以外のユーザー要望による更新
  • デザイン(仕様)変更のリクエスト
  • また、サポート終了後のWindowsバージョンについては、一般的なサポートも提供されません。

Windows 10の個人ユーザーや家庭向けユーザー向けのESU(拡張セキュリティ更新プログラム)は、1年間あたり30ドル(約4,650円)で提供されます。法人や企業向けには、Microsoftのボリュームライセンスプログラムを通じて、1台あたり年額61ドル(約9,300円)で購入できます。

この方法は、Windows11 にアップグレードできないけれど、引き続きWindows 10を使用したい、そしてパソコンで重要な作業を行っているような場合に最適な選択肢です。

方法2.ハードウェアをアップグレードする、または新しいパソコンを購入する

「PC正常性チェック」ツールを使ってお使いのパソコンを確認すると、アップグレードが必要な部品(プロセッサ、メモリ(RAM)、TPM、セキュアブートなど)がわかります。

セキュアブートの問題でWindows11にアップグレードできない場合は、TPM 2.0とセキュアブートを有効にする必要があります。

プロセッサ(CPU)が要件を満たしていない場合は、Windows11の動作条件を満たすために、第8世代以降のIntelプロセッサなどにアップグレードする必要があります。

ハードウェアのアップグレードは、必ずしも高額になるわけではありません。メモリ(RAM)やSSDのアップグレードは比較的手頃な価格で行え、専門業者に頼らなくても自分で取り付けたり交換したりできることが多いです。Windows11の最低動作要件を満たすようにハードウェアをアップグレードできれば、あとは通常通りインストールを進めることができます。

ただし、現在お使いのパソコンがかなり古く、複数の部品をアップグレードしなければならない場合は、新しいパソコンに買い替えることを検討してもよいでしょう。最近販売されているパソコンの多くは、最初からWindows11が搭載されているため、あまり大きな出費をせずに、Microsoftの最新で完全にサポートされたバージョンを安心して使用することができます。

方法3.Windows11を強制的にアップグレードする

もし、お使いのPCがWindows11の要件を満たしていなくても、追加費用なしでWindows11を使いたい場合は、現在のPCにWindowsの要件を回避してインストールする方法があります。そのためには、要件をバイパスするWindows11のインストール用USBを作成する必要があります。

この作業に使われる一般的なツールには「Rufus」や「EaseUS OS2Go」などがあります。ここでは「EaseUS OS2Go」を例に説明します。

EaseUS OS2Goは、無料で使える実用的な「Windows To Go」作成ツールで、ISOファイルあり・なしのどちらでも起動可能なUSBを作成できます。このツールを使えば、要件を満たしていないハードウェアでも、Windows 10から11へアップグレードしたり、MacにWindowsをインストールしたりすることが可能です。Windowsのシステム要件を気にせずにPCにWindowsをインストールできるのが特長です。

以下は、システム要件を回避してWindows11のインストール用USBを作る手順です:

ステップ1:十分な容量のあるUSBメモリまたは外付けハードディスクをPCに接続してください。「Windows起動ドライブを作成」をクリックします。インストールしたいWindowsのバージョン(Windows 11/10/8.1)を選びます。ローカルに保存されているISOファイルを使うこともできます。準備ができたら「次へ」をクリックします。

ステップ2.ドロップダウンメニューをクリックして「解除」を選択します。これにより、Windowsのインストール要件(TPMやセキュアブートなど)をスキップできます。その後、「作成」をクリックします。

ステップ3.「このプログラムは、選択したディスク上のすべてのデータを完全に削除します。」の警告メッセージが表示されます。「続ける」をクリックしてください。

ステップ4.OS2GoがWindowsインストールメディアの作成を開始します。ISOファイルのダウンロードには時間がかかることがあります。所要時間は使用しているOSやネットワークの状況によって異なります。

ステップ5.作成されたWindowsインストールメディア(USBメモリなど)をPCに接続し、インストール作業を開始しましょう。

方法4.Linuxに乗り換える

もしWindowsに疲れていて、新しい体験をしてみたいと思っているなら、LinuxはWindowsの優れた代替としておすすめです。

ただし、Linuxは「ひとつの統一された見た目や機能を持つOS」ではありません。代わりに、多くの「ディストリビューション」があり、それぞれが異なるユーザーインターフェースや、システム更新などの基本機能に使うツールを備えています。

Linuxをインストールするには、まずお好みのディストリビューション(たとえば Linux Mint や Ubuntu)を選び、そのISOイメージをダウンロードします。次に、Linux用のブータブルUSB作成ツールを使って起動用USBを作成し、そのUSBからパソコンを起動してLinuxをインストールすれば完了です。

方法5.Windows 10を使い続ける

もし、LinuxやChrome OSをインストールしたくない、あるいは古いパソコンに無理やりWindows11をインストールしたくない場合、残された選択肢は1つだけです:更新なしでWindows 10を使い続けることです。Windows 10はそのまま使い続けることができますが、Microsoftは技術サポートや機能更新、新機能、品質のアップデート(セキュリティ修正や安定性の向上など)を受けるために、Windows11へのアップグレードを強く推奨しています。

ただし、そのまま使い続けると、システムのサイバー攻撃に対する防御が弱くなる可能性があります。マルウェアやランサムウェアは、未修正の脆弱性を狙って攻撃してくるため、PCやデータにリスクが及ぶ恐れがあります。この道を選ぶ場合は、PCのセキュリティ対策を強化する必要があります。具体的には:

  • セキュリティを強化し、ウイルス対策ソフトなどをしっかり活用する
  • インターネット利用は信頼できる安全なサイトに限定する
  • オンラインバンキングなど、機密性の高い作業には使用しない

まとめ

もしお使いのPCがWindows11にアップグレードできない場合は、この投稿が解決の手助けになるはずです。ここでは、Windows11にアップグレードできない理由と、それを解決する5つの選択肢について紹介しています。以下がその内容です:

  • 方法1:有料の拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)を利用する
  • 方法2:ハードウェアをアップグレードする、または新しいパソコンを購入する
  • 方法3:Windows11を強制的にインストールする
  • 方法4:Linuxに乗り換える
  • 方法5:Windows 10をそのまま使い続ける

もしお使いのPCがWindows11の要件を満たしていないけれど、それでもWindows11を使いたい場合は、要件を回避してWindows11をインストールする方法があります。Windows11の起動用USBを作成すれば、非対応のPCにもインストールが可能です。

「EaseUS OS2Go」や「Rufus」といった人気のツールを使えば、Windows11の要件を無視してインストール用のUSBを簡単に作成できます。ぜひ試してみてください。

よくある質問

1.要件を満たしているのに、なぜWindows11にアップグレードできないのですか?

お使いのデバイスがWindows11のハードウェア要件を満たしているにもかかわらずアップグレードできない場合、原因として以下のような問題が考えられます:

  • ソフトウェアの競合
  • アップデートに関するバグ
  • システムファイルやアップデートキャッシュの破損
  • BIOS/UEFIの設定ミス
  • Microsoftの段階的なアップグレード配信(フェーズドロールアウト)による影響

2.Windows11を無料でアップグレードする方法は?

  • 設定 > Windows Update にアクセスして、PCがWindows11の最低要件を満たしているかどうか、そしてアップグレードの準備ができているかを確認してください。
  • アップグレードの準備が整っていれば、すぐにWindows11への無料アップグレードを開始できます。これにより、Windows11の新機能やメリットをすぐに体験できます。

3.MicrosoftアカウントなしでWindows11にアップグレードするにはどうすればいいですか?

Microsoftアカウントを使わずにWindows11をインストールしたい場合は、「EaseUS OS2Go」などの起動用USB作成ツールを使用して、アカウント要求をスキップできるWindows11のインストール用USBを作成することができます。そのUSBからPCを起動すれば、MicrosoftアカウントなしでWindowsをインストールすることが可能です。

4.自分のPCがWindows11にアップグレードできない場合はどうすればいいですか?

PCがWindows11の要件を満たしていないためにアップグレードできない場合は、以下の対処法を検討してみてください:

  • 古いハードウェアをアップグレードする
  • 新しいPCを購入する
  • Windows 10の有料拡張セキュリティ更新(ESU)を利用する
  • LinuxやChrome OSなど、別のオペレーティングシステムに乗り換える
  • 引き続きWindows 10を使用し続ける