概要:
PC起動時に「Scanning and Repairing Drive」が表示されて進まない…その原因と、コマンド操作から初心者向けソフトまで、効果的な修復方法をわかりやすく解説します。再発防止のコツも紹介!
「Scanning and Repairing Drive」は、WindowsがPCのストレージ(HDDやSSD)に何らかのエラーを検知し、自動的に修復を試みる際に表示されるメッセージです。Windows 8以降の起動時にこの機能が実行されることがあります。このプロセスは、Windowsのファイルシステムチェックツールである「CHKDSK(Check Disk)」が自動起動している状態です。このメッセージが表示されること自体は異常ではありませんが、数時間経っても終わらない場合は注意が必要です。
- CHKDSK:Microsoftが提供するコマンドラインユーティリティで、ドライブ内のファイルシステムエラーや不良セクタを検出・修復します。
- ファイルシステムエラー:データの読み書き時に発生するファイル構造の不整合。長時間の使用や不正なシャットダウンで起こりやすい。
なので本記事では、この現象に戸惑っている方や、PCの動作に不安を感じている方に向けて、「scanning and repairing drive」が表示される仕組みから、その主な原因、そして安全かつ効果的な修復方法までを、順を追ってわかりやすく解説していきます。
以下のような原因でドライブのスキャンが発生し、画面が停止したように見えることがあります。
1. 不正なシャットダウン
電源が急に切れたり、強制終了した場合、ドライブ内部のファイルが正常に閉じられず、ファイルシステムエラーの原因となります。これによりWindowsが起動時にCHKDSKを実行します。
2. ハードディスクやSSDの物理的損傷
不良セクタ(物理的に読み書きできない領域)が発生すると、CHKDSKはそれをスキャン・マークしようとしますが、時間がかかります。
3. ファイルシステムの損傷
NTFSなどのファイルシステムが破損することで、ドライブ全体の整合性が崩れ、CHKDSKによる修復が必要になります。
4. Windowsのスタートアップ修復の誤作動
OSの異常をWindowsが誤検知し、CHKDSKを誤ってトリガーすることもあります。
スキャンプロセスが長引く原因は以下の通りです。
累積的にこれらの要因が作用すると、画面が「止まった」ように見えることもあります。
「Scanning and Repairing Drive」の表示が延々と続いてしまう場合、放置しておくだけでは状況が改善しないこともあります。ここからは、実際に行える具体的な対処法をご紹介していきます。ご自身の状況やスキルレベルに合わせて、適切な方法を選んでみてください。
まず試してみたいのが、Windows標準のディスクチェックツール「CHKDSK(チェックディスク)」を自分で実行する方法です。少しパソコン操作に慣れている方なら、コマンドプロンプトから簡単に実行できます。
以下の手順で進めましょう。
ステップ1. スタートメニューで「cmd」と検索し、右クリックで「管理者として実行」します。
ステップ2. 以下のコマンドと入力して、Enterキーを押します。
chkdsk C: /f /r
※ 処理には時間がかかるため、実行前にバックアップを推奨します。(引用元:Microsoft Docs「CHKDSK - Check Disk Utility」)
コマンド入力はちょっとハードルが高い…という方には、より視覚的で簡単な方法もあります。それが、専用のディスク管理ソフト「EaseUS Partition Master」を使う方法です。このソフトを使えば、面倒なコマンド操作不要で、HDDやSSDの状態チェックやエラー修復がワンクリックで可能になります。とくに初心者の方や、複数のドライブをまとめて管理したい方におすすめです。
主な操作手順の流れは以下のとおりです。
ステップ1. EaseUS Partition Masterを起動し、パーティションを右クリックし、「チェック」>「ファイルシステムをチェック」を選択します。
ステップ2. 確認画面が表示され、「エラーが見つかったら修正する」にチェックを入れて「開始」します。
ステップ3. サーフェステストが正常に完了するまでお待ちください。
特に「パーティションチェックツール」を使用すれば、Windowsよりも視覚的に分かりやすく、迅速にエラーを検出・修復できます。
ソフトウェアの対処でも改善しない場合は、ハードウェア寄りの設定を見直すことも検討してみましょう。とくに起動ディスクまわりの設定(AHCIモードやSecure Bootなど)が影響しているケースもあります。とはいえ、BIOS/UEFIの設定変更は少し上級者向けの操作なので、変更前には現在の設定をメモしておくと安心です。万が一うまくいかなくても、元に戻せるようにしておきましょう。
基本的な手順
ステップ1. PCの再起動中に「Delete」や「F2」キーなどを連打し、BIOS/UEFI設定画面を起動します。
ステップ2. 「Boot(ブート)」や「Storage(ストレージ)」セクションを確認し、起動ディスクの順番やモード(例:AHCI/IDE)をチェックします。
ステップ3. 変更後は「Save & Exit(保存して終了)」で保存して再起動します。
※ 設定項目はマザーボードのメーカーによって異なりますので、事前に取扱説明書やメーカーサイトをご確認ください。
上記の方法を試しても改善されない場合、ドライブ自体に深刻な損傷があるか、Windowsのシステムファイルが致命的に破損している可能性があります。このような場合、最も確実な解決策は、重要なデータをバックアップしたうえで、Windowsをクリーンインストールすることです。
特に、次のような症状が見られる場合は、OS再インストールを前向きに検討しましょう。
データのバックアップには、外付けHDDやクラウドストレージ、もしくはEaseUSなどのバックアップソリューションを活用するのが安全です。
PC起動時に「Scanning and Repairing Drive」が表示されて進まない原因は、不正なシャットダウンやディスクの物理損傷、ファイルシステムエラーなどさまざまです。放置しても改善しない場合は、Windows標準のCHKDSKを使った手動修復や、初心者にも扱いやすい「EaseUS Partition Master」の利用がおすすめです。それでも解決しない場合は、BIOS設定の見直しや、最終的にはOSの再インストールも検討しましょう。トラブルの再発防止には、日頃のバックアップと正しいPCの使い方が大切です。
1. 「Scanning and Repairing Drive」が毎回表示されるのはなぜですか?
不正なシャットダウンやディスクエラーが原因で、Windowsが自動的にチェックディスクを実行しています。毎回出る場合は一度手動で修復を試すのが効果的です。
2. CHKDSKを使うのとEaseUS Partition Masterを使うのはどう違うの?
CHKDSKはWindows標準のコマンドで、やや操作が難しいですが無料です。一方EaseUS Partition MasterはGUIで直感的に操作でき、初心者でも安心して使えます。
3. 修復しても表示が消えない場合はどうすればいい?
何度修復しても改善しない場合、物理的なドライブ故障の可能性があります。データのバックアップを優先し、ドライブ交換やOSクリーンインストールを検討しましょう。