HDDをSSDにクローンする方法

さわこ |カテゴリ:ディスクコピー| 2025年09月08日に更新

概要:

HDDからSSDへのクローン作業は、動作が遅くなったデバイスを蘇らせる非常に効果的な方法です。おすすめのツールや便利なコツ、そして手順を追ったガイドとともに、HDDをSSDにクローンする方法をご紹介します。

新しいSSDを購入してHDDと交換したいけど、OSやすべてのプログラムを再インストールするのは面倒…」そんな方には、クローン作業が最適な解決策です。この方法はRedditのコミュニティや専門家の間でも広く推奨されています。私たちは「HDDからSSDへクローン」に関する数百のRedditスレッドを徹底的に調査し、最もおすすめのツール、よくある失敗、効果的なコツをまとめた、究極のクローンガイドを作成しました。このガイドに沿えば、Windowsを再インストールすることなく、データを失うこともなく、簡単にSSDへの移行が可能です。

なぜクリーンインストールではなくクローンを選ぶのか

RedditやXDA Developersの専門家たちは、クリーンインストールよりもディスクのクローン作業を推奨しています。あるRedditユーザーは「クローンはまさに救世主だった。交換後すぐにすべてが完璧に動いた」と語っています。以下は、Redditの投稿「クリーンインストールではなくOSドライブをクローンすべき5つの理由」の内容を簡単にまとめたものです:

  • アプリを再インストールする手間が省ける
  • 操作が簡単で初心者でも安心
  • 無料ソフトでディスクをクローンできる
  • 古いディスクをバックアップとして再利用できる
  • クローン作業中にディスクレイアウトのコピーやサイズ変更も可能

このあと、クローンとクリーンインストールの詳細な比較もご紹介します。

項目 ディスクのクローン クリーンインストール
主な目的 複製と移行:ドライブ全体をそのまま起動可能な状態でコピー 初期化とパフォーマンス向上:まっさらな状態から再スタート
作業スピード 速い:データをビット単位でコピーするため処理が早い 遅い:OSやドライバ、アプリの再インストールと設定が必要
結果 まったく同じシステム:ファイル・アプリ・設定、さらにはマルウェアもそのまま引き継がれる 新品同様のシステム:不要なデータや破損ファイルがなく、クリーンな状態
手間 少ない:クローン作成後に起動確認するだけでOK 多い:すべてのソフトの再インストールと設定変更が必要

 

それぞれが適しているケース

  • より大容量・高速なSSD/HDDへのアップグレード
  • システムの復旧やバックアップ
  • 同一環境を複数のPCへ展開する場合
  • PCの動作が重い、不要なファイルが多すぎる
  • ウイルスやマルウェアに感染している
  • マザーボードやCPUなどの大幅なハードウェア変更時

一部のRedditユーザーは、クローンではなくWindowsをクリーンインストールすることを勧めています。もし、新しいWindows環境で一から設定し直したい場合や、OSやアプリを自分で再インストールするのが好みであれば、クリーンインストールという選択肢も検討する価値があります。Windowsのインストール完了後に、必要なファイルを手動で移行することができます。

 

クローン前のチェックリスト:ユーザーの体験から学ぶ注意点

Reddit投稿からわかった、クローン作業で失敗する主な原因をまとめ、失敗を防ぐために事前にやるべきことをご紹介します。

ディスク容量を確認する

「クローン先のSSDは、元のHDDの使用済み容量より大きくなければならない」——これは最も多いミスのひとつです。クローン先(新しいSSD)の容量が、クローン元(HDD)の使用済みデータ量よりも少ない場合、クローンは失敗してしまいます。事前にディスクの空き容量をチェックし、十分なサイズのSSDを用意しましょう。

データをバックアップする

クローン作業を行う前に、大切なデータを必ずバックアップしておくことを強くおすすめします。万が一トラブルが起きても、完全なバックアップがあれば安心して対応できます。

通常、クローン作業では元のディスク(HDD)のデータが消えることはありませんが、クローン先のディスク(SSDまたはHDD)はすべて初期化され、データが上書きされます。もしクローン先のディスクにすでにデータが保存されている場合は、そちらもあらかじめバックアップしておきましょう。

新しいSSDをPCに接続する

お使いのPCにマザーボード上の接続スロットが2つ以上ある場合は、新しいSSDをそのまま内部に取り付けて、古いディスクと並行して接続できます。

スロットが1つしかないノートパソコンや小型PCなどの場合は、「SATA–USB変換ケーブル」または「外付けSSDケース(エンクロージャ)」を使って、USB経由でPCに新しいSSDを接続する必要があります。

特殊なケースへの対応

ターゲットディスクにクローンとは関係のないパーティションが存在する場合、それらのデータは基本的にそのまま残ります。ただし、この方法にはリスクがあるため推奨はされていません。クローン前には、専用のパーティション管理ツールやWindowsの「ディスクの管理」機能を使って、ディスクの状態を整理しておくことをおすすめします。Redditユーザーの具体的なアドバイスは以下の通りです:

  • SSDをデフラグ(最適化)する
  • デフラグ後、使用中のパーティションを可能な限り縮小する
  • ディスクの後方に、すべてのデータを収められる新しいパーティションを作成する
  • データをその新しいパーティションに移動する
  • クローンに備えて、古いパーティションを削除し、新しい空のパーティションを作成する(クローン作業中にも可能)

※この手順を実行することで、より柔軟にディスクを活用しながら安全にクローン作業を行えますが、操作ミスによるデータ損失の可能性もあるため、あらかじめバックアップを取っておくことが重要です。

Redditで話題のクローンソフト比較まとめ

HDDをSSDにクローンする最も確実な方法は、専用のディスククローンソフトを使うことです。Windowsには標準でクローン機能が備わっていないため、適切なツールを選ぶ必要があります。「HDDからSSDへのクローンには何を使ってる?」という内容のReddit投稿から、よく名前が挙がっている人気ソフトをご紹介します。

万能タイプ:Macrium Reflect

長所:高機能で信頼性が高く、30日間の無料トライアルもあり

おすすめユーザー:基本的なクローン作業を行いたい一般ユーザー全般に最適です。

使いやすさと信頼性のバランスが取れているため、多くのRedditユーザーから高評価を得ています。

レビュー:Macrium Reflectは、既存のドライブの完全なクローンを作成するのに最適なツールです。似たような(あるいは違う)ドライブを買ってきて、それをクローンして棚に置いておき、もしTUになったら、クローンをインストールするだけで、クローンを作ったときの状態に戻るということですか?何も再インストールしなくていいんですか?いいですね。

ブランド専用ツール:Samsung Data Migration / Acronis True Image など

長所:Samsung、WD(ウエスタンデジタル)、Kingston、Crucial など特定ブランドのSSDを使用している場合、各メーカーが提供する専用のクローンツールが利用できます。これらのツールはそのSSD向けに最適化されており、操作も非常にシンプルで初心者にも使いやすい点が魅力です。

短所:一部のツールは、同じブランドのSSDへのクローンにしか対応していません。たとえば、Samsung Data MigrationはシステムディスクをSamsung製SSDにのみクローン可能です。汎用性に欠ける点には注意が必要です。

おすすめユーザー:すでにSamsungやWDなど、対応ブランドのSSDをお持ちの方には特におすすめ。簡単な操作で安全にクローンを作成できます。

レビュー:サムスンのデータ移行は何度も使っているが、一度も失敗したことはない。実際、私はこのソフトのおかげでサムスンのSSDしか買わなくなりました。違うメーカーのSSDを使ったときは、Clonezillaを使いました。Clonezillaにはブータブルバージョンもあると思います。それがドライブのクローンを作成する最も信頼できる方法だと思います。

無料で使える最強クラスの選択肢:Clonezilla / Rescuezilla

長所:完全無料でありながら非常に高機能。多くのプロや上級者にも支持されている、信頼性の高いオープンソース系ツールです。細かい設定や高度な操作が可能で、大規模なクローン作業にも対応できます。

短所:Linuxベースの操作画面で、インターフェースはやや複雑です。初心者にはわかりにくく、慣れるまで時間がかかる可能性があります。マウス操作が使えない場面もあるため、ある程度のIT知識が求められます。

おすすめユーザー:ITに詳しい中〜上級者、システム管理者、または複数台のPCを効率よく管理・移行したいユーザーにおすすめです。無料で本格的なクローン作業を行いたい人には最適な選択肢です。

レビュー:ClonezillaはLinuxベースのツールなので、初めての方には少し難しそうに感じるかもしれません。USBメモリから起動して使用しますが、画面表示はコマンドラインやテキスト中心です。ただし、表示される説明をしっかり読みながら進めれば、基本的にはメニュー操作で使えるようになっており、慣れれば問題なく扱えます。

他にも、EaseUS Todo Backup、EaseUS Disk Copy、そして「dd」コマンドなどのツールも言及されています。

以下は、20件以上のReddit投稿をもとに、頻繁に話題に上がったクローンソフトを比較した表です。

  Macrium Reflect Samsung Data Migration Clonezilla EaseUS Disk Copy

主な用途

システムのバックアップ、クローン、ディスクイメージ作成 データとOSをSamsung製SSDへ移行 複数OS間でのディスククローン・イメージ作成 ディスクのクローン、パーティションコピー、OSの移行

使いやすさ

中級向け:情報量が多く、初心者には少し難しい 非常にシンプル:ウィザード形式 コマンド中心で複雑、上級者向け 分かりやすいGUIで初心者にも使いやすい
料金 有料(30日間の無料トライアルあり)     無料(Samsung SSD専用) 無料のオープンソース 有料
対応OS Windows Windows & MacOS Windows、MacOS、Linux、Chrome OS Windows
SSD最適化
クローン柔軟性 ディスク全体、パーティション、パーティションサイズ調整が可能 システムディスクとパーティションのクローンのみ ディスク全体、パーティション、イメージファイルへの複製 ディスク全体、パーティション、サイズ変更も可能

 

最適なユーザー

信頼できるバックアップ・クローンを求めるWindowsユーザー Samsung SSDへアップグレードするユーザー ITに詳しく、複数のOS環境で操作するユーザー 柔軟にクローンを取りたいWindowsユーザー

HDDをSSDにクローンする方法

必要なクローンを作成した後、HDDをSSDにクローンすることができます。

Macrium Reflectでディスクをクローンする

  • ①Macrium Reflectをインストール・起動する:公式サイトからソフトをダウンロードし、パソコンにインストールします。Macrium Reflectは30日間の無料トライアル版が利用可能です。インストール後、ソフトを起動します。
  • ②SSDをパソコンに接続する:新しいSSDをUSB-SATA変換ケーブルを使ってPCに接続します。ノートパソコンなど内部に取り付けできない場合でも、外付けとして認識されればOKです。
  • ③クローン元のディスクを選択する:ソフト起動後、「バックアップの作成」タブで、クローン元を選択します。表示されるディスク一覧から対象のディスクを確認してください。
  • ④クローンを開始する準備をする:クローン元ディスクの下に表示されている「このディスクをクローン」をクリックします。
  • ⑤クローン先のディスクを選ぶ:表示されるウィザード画面で、「クローン先のディスクを選択」というリンクをクリックし、新しいSSDを選択します。
  • ⑥パーティションをドラッグ&コピーする:クローン元ディスク内のパーティションを、クローン先(SSD)にドラッグしてコピーします。
  • ⑦パーティションのサイズを調整する(必要な場合):もしクローン先のSSDの容量が異なる場合は、各パーティションをクリックして「ターゲットディスクに合わせて縮小または拡張」を選択し、自動的にサイズを調整できます。
  • ⑧確認してクローン実行:作業内容のサマリー(確認画面)を表示し、クローン元とクローン先のディスクに間違いがないか確認します。問題がなければ[完了]ボタンを押してクローン作業を開始します。

Samsung Magicianでディスクをクローンする

  • ①Samsung Magicianをダウンロード・インストール:まだインストールしていない場合は、Samsungの半導体公式サイトから「Samsung Magician」をダウンロードしてインストールします。
  • ②新しいSamsung SSDを接続する:新しいSamsung製SSDを物理的にパソコンへ取り付けるか、USB-SATA変換ケーブルやM.2用USBエンクロージャーを使って外付けとして接続します。
  • ③Samsung Magicianを起動:インストールが完了したら、Samsung Magician を起動します。
  • ④「データ移行」機能へアクセス:画面上部またはサイドメニューの「データ管理」セクションにある「データ移行」機能を選択します。
  • ⑤ソースディスクとターゲットディスクを選択:ソフトが自動で接続されたドライブをスキャンします。古いHDDや既存のディスクを「ソース」として、新しいSamsung SSDを「ターゲット」(移行先)ドライブとして手動で選択します。
  • ⑥クローン処理を開始:内容に問題がなければ「開始」ボタンをクリックして、クローン作業を開始します。
  • ⑦確認と完了:クローン前に「ターゲットドライブのすべてのデータが消去される」ことへの注意メッセージが表示されるので、内容をよく読み、問題なければ同意して進めます。クローン処理が始まり、所要時間はデータ量や接続方式によって異なります。

EaseUS Disk Copyでディスクをクローンする方法

  • ①EaseUS Disk Copyをダウンロード:公式サイトからEaseUS Disk Copyをダウンロードします。このソフトはインストール不要なポータブル版なので、ダウンロード後すぐに使えます。
  • ②新しいSSDを接続する:新しいSSDをパソコンに物理的に取り付けるか、USB-SATA変換ケーブルや外付けケース(エンクロージャー)を使って接続します。
  • ③ソフトを起動する:ダウンロードしたファイル内の「portable.exe」をダブルクリックしてソフトを起動します。
  • ④クローン元とクローン先のディスクを選択:「ディスクモード」でクローン元とクローン先を選択します。ソフトがディスクを自動でスキャンし、ターゲットディスクを検出して表示します。新品のSSDが接続されている場合、「WindowsをSSDに直接移行しますか?」というプロンプトが表示されることもあります。
  • ⑤クローン作業を開始する:必要があればディスクのレイアウト(パーティション配置など)を調整し、「開始」をクリックすれば、クローン作業が始まります。

 

クローン後に行うべきチェックリスト

  • ドライブを物理的に入れ替える:パソコンの電源を完全に切り、元のHDDを取り外して、新しいSSDをそのHDDが接続されていたSATAポートに接続します。
  • BIOS/UEFIに入る:パソコン起動時にBIOSまたはUEFIに入り、SSDが起動ドライブ(最優先のブートデバイス)として設定されているか確認します。
  • 起動を確認する:パソコンをSSDから正常に起動できるかを確認し、ファイルやアプリケーションが正しく移行されているかチェックします。
  • 古いHDDの処理:問題なくSSDから起動・動作していることが確認できたら、元のHDDをフォーマットして、バックアップ用またはデータ保存用ドライブとして再利用することをおすすめします。

よくある質問

1.SSDにパーティションのアラインメントは必要ですか?

はい、場合によってはクローン後にパーティションのアラインメントが必要になることがあります。特に古いHDDからSSDへクローンした場合や、Windows XPのような古いOSを使っていた場合には注意が必要です。

ただし、Windows Vista以降(Vista / 7 / 8 / 10 / 11)を使用していたドライブや、SSDに新規インストールされたWindowsでは、パーティションは通常正しく自動でアラインメントされているため、特別な操作は不要な場合がほとんどです。

2.クローンしたSSDから起動できません。どうすればいいですか?

起動できない場合は、以下の項目を順番に確認してみましょう。

  • SSDが正しく接続されているか確認する
  • BIOS/UEFIに入り、SSDが起動順位の一番上(ブートデバイスの優先順位)になっているか確認する
  • ブートモード(UEFIまたはレガシー)が、SSDのパーティション形式(GPTまたはMBR)と一致しているか確認する

これらを確認しても起動できない場合は、WindowsのインストールUSBメディアを使って「スタートアップ修復」や「コマンドプロンプト」から「bootrec.exe」コマンドを実行して修復を試みてください。それでも改善しない場合は、クローン作業が失敗している可能性があるため、再度クローンをやり直すことをおすすめします。

3.容量の小さいSSDにクローンすることは可能ですか?

はい、可能です。ただし、元のHDDに保存されている「実際のデータ量」が、新しいSSDの容量を超えていないことが条件です。

Macrium Reflect や EaseUS Disk Copy などのクローンソフトを使えば、クローン作業中にパーティションサイズを自動で調整して、より小さいディスクにも合わせてくれます。

また、手動でHDD内の大きいパーティションを事前に縮小したり、一部のファイルを外付けHDDなどに移動してデータ量を減らしておくことで、小容量SSDへのクローンもスムーズに行えます。